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18年間の集大成。漫画「新世紀エヴァンゲリオン」が最終回を迎えた日

2013年6月6日 11時00分

ライター情報:木俣冬

ヤングエース 7月号
角川書店から発売中
貞本エヴァ最終回へ多くの関係者からイラストメッセージあり

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万感の思いで読んだ。
ヤングエース2013年7月号。この号を忘れない。
95年に連載がはじまった漫画版「新世紀エヴァンゲリオン」がついに完結したのだ。

エヴァといえば、いまやすっかり「エヴァンゲリオン」じゃなくて「ヱヴァンゲリヲン」のことになってしまった中で、貞本義行は、ただひとり「エヴァンゲリオン」を描き続けてきた。
95年、10月テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の放送開始にあたり、前年創刊した角川書店「月刊少年エース」のメディアミックス企画として連載されることになった漫画版は、アニメに先行した95年2月号からはじまった。

セカンドインパクトという大災害が起こった地球に襲来する謎の存在・使徒。少年少女が人型兵器・エヴァンゲリオンに乗り込んで使徒と闘うというストーリーや設定の魅力もさることながら、アニメのキャラクターデザインを手がけた貞本義行が描く、包帯と眼帯の少女・綾波レイは強い求心力となる。同じ頃、美少女モデルとして鮮烈に登場した栗山千明を綾波のイメージで撮ったグラビアなんかも初期には載っていたなあ、と遠い目。

貞本エヴァは、テレビシリーズが終わり、劇場版が公開され、エヴァスタッフが実写や新作アニメを手がけるようになっても、ヱヴァンゲリヲン新劇場版がはじまっても、序破急の急がQになっても、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」にまたまた変化して、それがいつ公開なのかまだ発表されてなくても、掲載誌が「ヤングエース」に変わっても(2009年)、時々休載しながら、18年間、コツコツと連載は続いてきた。
ついに訪れたLAST STAGEは、その数回前でスペクタルが起こり(これがすごい)、すべてが終結したあとのエピローグ。ケレン味は排除され、静謐で素朴ないい締めになっている。
シンジ君があることをしに電車に乗って東京へ出かけるところを描いた漫画版の最終回は、言ってみたらテレビシリーズの最終回に近く、まわりまわっていろんなエヴァがあったけれど、そもそものエヴァンゲリオンが終わるのだという気にさせられた。
というと、まだ読んでない人は、え、あの終わり方に!? と身構えるかもしれないが、あれほどアバンギャルドではない。あり得たかもしれない世界を描くという点において、という意味だ。

テレビシリーズの最終回は、遅刻しそうで慌てて登校するシンジ君が食パンくわえた綾波レイとぶつかるという典型的なボーイ・ミーツ・ガールの情景が描かれていたが、漫画版最終回では、シンジ君が出会う人はーー。

ライター情報

木俣冬

文筆業。ドラマ小姑。著書に『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』。他、ノベライズ『マルモのおきて』、『君が踊る、夏』『シュアリー・サムデイ』、構成を担当した『蜷川幸雄の稽古場から』『堤っ』『庵野秀明のフタリシバイ』などがある。演劇、映画、ドラマ、アニメなどの面白さを日夜追求している。『SPEC〜天〜』『外事警察その男に騙されるな』公式ライター
ツイッター @kamitonami

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