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「アクト・オブ・キリング」とAKB48ドキュメンタリー映画の類似点を考察

2014年5月30日 09時00分 ライター情報:青柳美帆子

AKB48のドキュメンタリー映画3作目の『NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』。高橋栄樹監督作品。48グループのアイドルたちの成長や葛藤、苦悩や情熱を描いたこの映画は、とあるドキュメンタリー映画と似た一面を持っている……。

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5月25日に起こったAKB48握手会事件。
「有名税」といった揶揄は論外だが、「接触ビジネスの功罪」というのも違う。今回のこの事件は、たまたま握手会会場で起こってしまった通り魔事件だ。コンサート会場や街頭で起こっていたとしてもおかしくなかった。もちろん、握手会のシステムは今後変更せざるをえないだろうが、それは「接触ビジネスが悪い」からではない。

突然振るわれたこの理不尽な暴力に、48グループのメンバーたちは怒り傷ついている。これまで彼女たちは、さまざまな理不尽さに翻弄されてきた。つらい経験をして、それを乗り越えたときに「物語」になり、成長する……それが48グループの特徴ともいえる。けれど今回は全くタイプが異なる。「AKB48なら誰でもよかった」と無差別に傷つけられる理不尽さは、アイドルが成長するのにまったく必要のないことだ。

1つ、どうしても気になってしまうことがある。48グループでは、過去ドキュメンタリー映画が3本製作されている。アイドルたちの日々に密着して、48グループの中で起きたさまざまな変化や事件を描いているものだ。
4本目も現在製作中で、今年2014年の7月4日に公開が予定されている。タイトルは『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』。峯岸みなみのスキャンダルから、大島優子の卒業、そして6月8日に発表される選抜総選挙までが描かれると予想されている。
このタイミングで起こってしまった事件。ドキュメンタリー映画はどのように触れるのだろうか?

2作目の『to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?』では、トップアイドルでいることの大きすぎるプレッシャーが描かれている。3作目の『NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』では、恋愛スキャンダルで辞めたメンバーを取り上げ「アイドルの恋愛」についても問う。
AKB48のドキュメンタリーは、「アイドルの苦悩」や「理不尽にさらされて成長する少女」については巧みに表現できる。良い意味でも悪い意味でも「物語」にできるのだ。震災に関しても、1人のメンバーにスポットライトを当て、震災に対するグループ全体の活動を描くことで、「アイドルと震災」といった形で扱うことができた。
けれど今回は全く違う。どんな取り上げ方をしても、メンバーたちの成長にはつながらない。

ライター情報

青柳美帆子

フリーライター。1990年(平成2年)生まれ。オタクカルチャー・イベントレポ・明るいエロス・少女革命ウテナなどを中心に執筆しています。

URL:青柳美帆子のまとめ

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