伏線なのか、寄り道なのか混戦模様のドラマ「ファーストクラス」(フジテレビ水曜10時〜)。最終回目前にして、さらなるフリーダム展開が続く。


廣木リカ(木村佳乃)率いる「TATSUKO YANO」と、吉成ちなみ(沢尻エリカ)率いる「TATSUKO YANO JAPAN」によるTシャツ販売対決の末、リカはブランドを去り、11月19日(水)放送の第八話ではちなみが社長に就任。島耕作もびっくりの出世街道ばく進中だ。

ちなみはTATSUKO YANO JAPANを新たなステージに押し上げるべく、ちなみはウエディングドレス事業への参入を決意。偶然知り合ったワケアリの若いカップルをサンプルモデルに起用し、近々オリジナルのウエディングドレスを着せることを約束する。しかし、肝心のメンバーは気もそぞろ。どうも様子がおかしい。


じつは矢野竜子(夏木マリ)が新ブランド「TATSUKO YANO ORIGINAL」を設立。息子の隆太郎(淵上泰史)が、パタンナーの新堂吹雪(篠原ともえ)をはじめとするかつてのスタッフたちに接触し、スカウトに励んでいた。突如として現れ、ガバッとコートの前を開いて「お疲れさまです!」。須賀さくら(倉科カナ)に黙殺されても何のその、ババーン! をヌケヌケと繰り返すのはさすが、我らが隆太郎である。

一方、TATSUKO YANO ORIGINAL設立の背後では、リエコ(LiLiCo)が社長を務めるファスベンダー&マッカートニー・ジャパンが暗躍していた。リエコはファーストクラス編集長・大沢留美(板谷由夏)を呼び出し、TATSUKO YANO ORIGINALを誌面で大きく扱うよう告げる。
「ファッション誌がトレンドでもない、ひとつのファッションブランドをとりあげるのは公平ではないと思います」と大沢は反論するも「よろしくといったら、よ・ろ・し・く」という一言で一蹴される。

さらに凄まじかったのが、矢野竜子(夏木マリ)に対する瀬川蘭子(余貴美子)の服従プレイ。
「マミーってああいう人じゃないですか。蘭子おばさんが謝ってください」
「蘭子おばさんが復活する唯一のチャンスですよぉ」

と隆太郎に説得され、竜子を訪ねてきた蘭子は全身黒づくめである。

“カラスか葬式の未亡人か手裏剣持ったら、はい、忍びのできあがり! サングラスとれよ〜”(第一話)と折にふれバカにしていた竜子のスタイルに合わせて、髪も真っ黒に染めている。
そして、「申し訳ありませんでした」と土下座。


「あなたは過去、わたしの右腕だった。これからは……左腕でご満足いただけるの?」
と、なぶられても「はい……」と服従の姿勢を崩さない。

雌ライオンと女豹が吠え合うようなベテラン勢のマウンティング合戦に比べれば、若手女優たちのそれは可愛いもの。「私たちの約束はまだ何も果たされてないわよ」と小競り合う、大沢編集長と廣木リカすら、子猫のじゃれ合いに見える。

そんな中、沢尻エリカは隆太郎に「あと二人、お忘れではないですか?」と千冬(小島聖)と薫(市川実和子)の転職をねじこむなど健闘する。そして、TATSUKO YANO ORIGINALの設立とともに、一人取り残される。
シーズン1から続く「一難去って、また一難」も、残すところあと2回。第9話では川嶋シスターズの長男・ロミ男としてミッツ・マングローブが参戦し、最終回には中丸雄一(KAT-TUN)演じる西原樹が登場することも明かされた。この期に及んでまだ登場人物が増え続けることに震撼しつつ、今夜10時から!
(島影真奈美)