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「心臓を捧げよ!」実写版「進撃の巨人」後編に制作陣のギリギリの覚悟を見てしまった

2015年9月16日 10時50分 ライター情報:多根清史
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クリエイターに心臓を捧げさせる実写版『進撃の巨人』


心臓を捧げよ!右手の拳を左の胸に当てる、『進撃の巨人』ではおなじみのポーズ。実写版『進撃の巨人』後編(『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』)の試写会を見終えたあとに、スタッフは全員がこの覚悟で制作に臨んだのでは……という思いが頭から離れませんでした。(前編レビュー
実写版『進撃の巨人』後編(『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』)は9月19日公開

どう転んでも、プロのクリエイターとしての“生還”ーー作品を評価してもらえる確率は1%以下ですから。
原作マンガは、2015年9月現在で18巻。このボリュームを前後編合わせても約3時間内に収めるのは、物理的にムリ。そこで前編では原作の1巻〜3巻に絞り、壁の穴を塞ぐ作戦に限定することでクリアしていました。
ハリウッド映画と予算を比べるのも酷な条件で大作に立ち向かったスタッフは、調査兵団に勝るとも劣らない働きを讃えられていいはず。主人公のチームが大声を上げたり緊張感に欠けた行動が目立ったものの、慎重にステルスして「任務終わりました」では映画にならない。戦場のど真ん中で「子供の父親になって」だのクリスタルレイクでジェイソン呼び寄せる的な濡れ場も一服の清涼剤になってました…まぁ水崎綾女ファンとしては一生許しませんが。

前編はよくぞ乗り切った。「なんの成果も!! 得られませんでした!!」どころじゃない大健闘です。基本的には原作に沿ったストーリーですから、期待と違うところは目をつぶって漫画のコマを浮かべればよかった。
俺達の本当の戦いはこれからだ!エンドでいいよね…えっ後編やるの? 

前編で広げた風呂敷を畳むためのセカイ系


前後編で完結した一本。そして原作はまだまだ終わる気配がない。つまり「実写版オリジナルの“お終い”」を作れということ。
「原作とは違う結末」は、メディアミックス案件が背負う十字架。だいたいにおいて十字架の重さに押しつぶされます。最近は「原作とアニメ版が同時完結」として着地点を近づける仕掛けもありますが、『進撃の巨人』ではそうした安全装置なし。空中で立体起動装置が外されたようなピンチで、どうする後編!?

その答は「セカイ系」でした。
セカイ系とは2000年代前半に流行った言葉で、「君と僕を中心とした関係性が世界の運命に直結する作品群」のこと。
彼女が最強の戦闘兵器とか、ハーレム体質の少年が実は惑星再生のカギを握ってるとか、ミニマムなキャラクター周りで世界が滅んだり蘇ったりする奴です。

ライター情報

多根清史

1967生。『オトナアニメ』(洋泉社)スーパーバイザー/フリーライター。『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)など。

URL:Twitter:@bigburn

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