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立川談志、連続殺人犯、イエスの方舟、東条英機……ビートたけしが演じた実在人物

2015年12月28日 10時00分 ライター情報:近藤正高
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今夜(12月28日)9時からTBS系でスペシャルドラマ「赤めだか」が放映される。落語家・立川談春が師匠の立川談志とのかかわりをつづった同名のエッセイを原作とするこのドラマでは、若き日の談春に二宮和也(嵐)が、談志にビートたけしが扮する。

たけしと談志は、もとは談志門下だったダンカン(今回のドラマでは柄本時生が演じる)がたけし軍団に移籍したり、たけし本人が落語立川流に入門して「立川錦之助」の名を与えられたりするなど、かなり近しい関係にあった。今回のドラマのなかでも、ダンカンがたけしのところに行きたいと言い出して、談志が「ビートたけしか?」と聞き返すシーンが出てくるとか。それを台本で読んだたけしは、まさか自分自身も出てくるのではないかと心配したと、二宮和也との対談(ドラマ公式サイトに掲載)で語っている。

最近、伊東四朗があるラジオ番組で、近い時代の人物を演じるのは、なまじ映像などが残っているので演じにくいといった意味の発言をしていた。伊東いわく、NHKドラマでの元首相・吉田茂役こそ引き受けたものの、劇作家・演出家の菊田一夫の役を依頼されたときにはさすがに本人を知っているだけに断ったらしい。

今回のたけしも、よく知る談志を演じるにはそれなりの苦労があったのではないか。とはいえ、これまでたけしはドラマや映画で実在の人物をかなりの数演じてきた。そこで扮したのは談志に負けず劣らない、いやそれを上回るであろうクセモノぞろい。いずれもたけしだからこその配役であることは間違いない。この記事ではそれら作品を振り返ってみたい。
『池端俊策 ベスト・シナリオ セレクションII』三一書房。当記事で紹介した「昭和四十六年、大久保清の犯罪」「イエスの方舟」のシナリオを収録。巻末には池端とTBSの八木康夫プロデューサーとの対談もあり)

善悪両方のイメージを持つために犯罪者役に


漫才コンビ「ツービート」の片割れとして1980年のマンザイブームで頭角を現したたけしは、翌81年放送開始のラジオ番組「ビートたけしのオールナイトニッポン」とテレビバラエティ「オレたちひょうきん族」に単独で出演、カリスマ的な人気を集めることになる。

俳優としても81年公開の映画「マノン」(東陽一監督)、82年放送の連続ドラマ「刑事ヨロシク」(TBS系)などに出演しているが、エポックとなったのはやはり83年公開の大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス」だろう。同作での好演は俳優・ビートたけしを広く印象づけるに十分だった。しかし、当のたけしは、劇場に足を運んだ際、自分が出てくる場面で大爆笑が起こったのにショックを受ける。そこで善悪両方のイメージを持つために、悪い役をやらなきゃいけないと思ったという(「東京新聞」2014年1月18日付)。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

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