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NMB48「道頓堀よ、泣かせてくれ!」HKT48「尾崎支配人が泣いた夜」どっちが泣けるか徹底比較

2016年2月4日 09時50分

ライター情報:近藤正高

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1月29日より全国の映画館で「道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48」「尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48」と、AKB48の姉妹グループのドキュメンタリー映画が公開されている。

NMB48は大阪、HKT48は福岡を拠点に2010年、2011年にあいついで誕生したグループだ。じつは、NMB48の映画は昨年8月、HKT48は同11月にそれぞれ公開予定だったが、いずれもよりクオリティの高い内容を目指すため延期となり、けっきょく年をまたいで同時公開されるにいたった。なりゆきとはいえ、公開が重なり観客動員などで競わざるをえなくなったのは、48グループの宿命なのだろうか。せっかくなので、ここでは2作を比較しながら、それぞれの見どころを紹介してみたい。なお、両方ともタイトルが長いので、以下、それぞれ「道頓堀」「尾崎支配人」と略称させていただく。
メイキング要素もある「尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48」では、主題歌「Chain of love」についてもそれを歌うメンバーの決定からレコーディング風景まで収録し、一つのドラマとして見せている。それにしても尾崎支配人が泣いた夜とはいつなのか? 映画で確認してほしい

“映画監督”指原莉乃vs.“哲学者志望アイドル”須藤凜々花


「尾崎支配人」の監督を務めるのは、HKT48のメンバーである指原莉乃。その手があったか! と思わせる人選だ。何しろ指原は、グループの活動拠点であるHKT48劇場の支配人を兼任し、メンバーの指導や外部に向けたPRにも余念がない。ドキュメンタリーの監督はまさにうってつけといえる。

今回の映画では監督自らメンバーにインタビューするばかりか、撮影した映像をチェックしたりスタッフと話し合ったりとメイキング的な要素も盛りこまれている。メンバーに対して外部の人間には聞きにくいことも自然と聞き出せるのはやはり指原の強みだし、個々人に向けて自分の思いを率直に伝えるところを見ると(とくに兒玉遥へのメッセージにはグッと来た)、彼女のプロデューサー気質をあらためて実感させる。

これに対し「道頓堀」の舩橋淳監督は、劇映画とドキュメンタリー映画を手がけ海外の映画祭にもあいついで作品を招待されている実力派。しかし舩橋はアイドルについて今回監督を引き受けるまで全然知らなかったという。そのためか、本作ではNMB48というグループ、ひいてはアイドルについて外部からとらえようという視点が随所にうかがえる。この点、インサイドレポートという趣きの「尾崎支配人」とは対照的だ。

「道頓堀」の作中、アイドルの存在をとらえるうえで象徴的な役割を担っているのが須藤凜々花である。48グループの第1回ドラフト会議(2013年)で指名されてNMB48に加入した須藤は、当初より哲学者志望と公言してきた。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

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