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映画「ザ・ウォーク」観ているだけで落ちて死ぬんじゃないかと本気でハラハラ!

2016年2月5日 10時00分
ライター・編集者の飯田一史さんとSF・文芸評論家の藤田直哉さんの対談。今回は映画『ザ・ウォーク』を扱います。

CGだってわかってるのにドキドキ



藤田 『ザ・ウォーク』は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキス監督の新作で、1974年にワールドトレードセンターの上で綱渡りした実在の大道芸人をモデルに映画化したものです。いやー、驚いた。予告の印象よりずっとよくできていました。

飯田 これまでもたびたび映像として、あるいは映像制作の方法で人々に驚きを与えてきたロバート・ゼメキスの最新作が『ザ・ウォーク』ですね。
 今回も(もちろん、昨今のマーヴェルものとかに比べたら地味っちゃ地味だけど)すごい映像だなと。観ている側は「落ちない」ってわかっているのにハラハラさせられるんだもの。

藤田 本気でドキドキしましたね。3Dの使い方がすごくいいんですよ。手前のロープと奥の地面、みたいな「高さ」の構図を基本として、ロープや棒、ジャグリングの投げたものなどを用いて、立体のアイデアが工夫されていた。

飯田 あらすじ的には予告編で観た段階で誰でもわかる「曲芸師のワイヤーウォーカーがWTC(ワールドトレードセンター)を綱渡りを成功させる話」。以上。なんだけど、画面に釘付けだった。観ているあいだめっちゃトイレ行きたかったんだけど、結局さいごまで観るしかなかった。

藤田 CGだってことは、観客は百も承知なわけですよ、だって、ワールドトレードセンター、911で崩れましたからね。それでもハラハラドキドキするように作れているのが、本当にすごい。冒頭で、寺山修司の『書を捨てよ、街に出よう』みたいに、人物がスクリーンのこちら側に語り掛けてくる。つまり、死んでいないことは明らかにされている。でもドキドキする。そういう効果を出す3Dの使い方、演出に成功している。

飯田 ゼメキスは過去作で言うと、たとえばカートゥーンと実写を融合させた意欲作『ロジャー・ラビット』とかCGと実写の融合である『ベオウルフ』なんかでも高いところから落ちる絶体絶命シーンがあったけど、今回もある意味「実写じゃない」というか、実在する場所で撮影しているわけじゃないのに観ていて緊張させられた。

藤田 ワールドトレードセンターは、CGで作られていて、作中でも「人工的で嫌われている」みたいな表現があったけど、この綱渡りの成功によって「息を吹き込まれた」と表現されていましたね。
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