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「ちかえもん」は朝ドラ「あまちゃん」へのアンサーだったのか

2016年2月25日 09時50分 ライター情報:近藤正高
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NHK総合の木曜時代劇「ちかえもん」(木曜よる8時~)の第6回(2月18日放送分)は、主人公の近松門左衛門(松尾スズキ)がこれまででもっとも長く歌った回だった。歌の1番をフルコーラス、それも今回は替え歌はなし。菅原洋一の「知りたくないの」(1965年。原曲は「I Really Don't Want to Know」というアメリカンポップス)をなかにし礼の歌詞そのままに歌い切ったのである。
2010年代のNHKの連続テレビ小説最大の話題作「あまちゃん」。「ちかえもん」との意外な共通点は記事後半で!

先週放送の第6回はこんな話


この前の第5回では、平野屋の忠右衛門(岸部一徳)が過去に不正取引(幕府の許可なしの朝鮮人参の取引)をしていた過去があきらかにされた。あまつさえ、それを咎めた親友で蔵役人の結城格之進を陥れ、死に追いやったというのだ。その格之進の一人娘こそ天満屋のお初(早見あかり)であり、彼女が平野屋の跡取り息子・徳兵衛(小池徹平)に近づいたのも、ひとえに忠右衛門を討つためであった。

この事実を知った近松の相棒・万吉(青木崇高)は、お初に父の仇を討たせるため、天満屋に忠右衛門を呼び出す。第6回の前半、お初と対面した忠右衛門は、いきなり大金を積み、これで店から足抜けして大坂から出てゆけと切り出す。

一方、何も知らない徳兵衛はいつものごとく天満屋へお初に会いにやって来る。何とか彼女と会わせまいと、近松が必死になって引き留めることに。しかしそのうちに徳兵衛はしびれを切らして立ち上がる。ここで近松は「お初は身請けされることになった」ととっさにウソをついてあきらめさせようとするのだが、かえって逆効果に。徳兵衛は一目散にお初のもとへと駆け出し、近松はあわててそれを追う。

徳兵衛が部屋に飛びこむと、ちょうどお初が刃を忠右衛門に突きつけ謝罪を迫っていた。そのうえ大金が積まれているものだから、彼はお初の身請けの相手が忠右衛門だと早合点。徳兵衛が天然のアホでよかった~、と安堵する近松だったが、ここにもう一人アホがいた。「仇討はまだ終わってまへんで!」と万吉が、忠右衛門・格之進・お初をめぐる相関図を徳兵衛に突きつける。冒頭で紹介した近松の歌が入るのはここだ。「あ~なたの~過去など~知り~たくな~いの~」という歌詞はまさにこのシチュエーションにどんぴしゃだった。

修羅場がひととおり繰り広げられたところで、アホの万吉が一転、覚醒したかのように、忠右衛門にまだ何か隠しているやろと告白をうながす。これに忠右衛門に代わって、平野屋の大番頭の喜助(徳井優)が語り始める。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

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