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人情話だと神回認定なのか。新「ルパン三世」20話

2016年2月25日 10時00分

ライター情報:大山くまお

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イタリアを舞台にした30年ぶりのTVシリーズ『ルパン三世』。クローン人間として蘇った万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチとルパンの対決がいよいよ始まる……と思いきや、先週放送の第20話はダ・ヴィンチどころか次元も五エ門も登場しない渋いエピソード「もう一度、君の歌声」。
「ルパン三世 PART IV Vol.4」バップ

イタリアでかつて有名だった女性シンガー、ノラ・アニタ。彼女がCMソングを歌い、プライベートでも半世紀近く乗っていた車が売りに出されていた。値段はなんと500万ユーロ!(約6億円) しかし、その車がまんまとルパンに盗み出されてしまう。

どこか愛嬌のあるボンネットとヘッドライトのデザインが特徴的なこの車は、イタリアの国民車フィアット500の初期モデル、通称“トッポリーノ(ハツカネズミ)”。映画『ローマの休日』で、オードリー・ヘップバーンを追い回す記者が乗っていた車としても知られている。ルパンが愛車にしているのは、このフィアット500の二代目モデルだ。

鼻歌交じりにトッポリーノを走らせるルパン。銭形警部らイタリア警察が追跡するが、相手が6億円の車ゆえ、むやみに傷をつけるような真似ができない。ルパンはのんびりと街を走り続ける。

車を売りに出していたのは、マーティンという名の老紳士だった。しかし、警察に向かって車の価値を熱弁する若いディーラーとは対照的に、マーティンは「どうでもいい」と投げやりな態度。どうやら車を処分しようとしてディーラーに任せたところ、高く売りに出されてしまったようである。

マーティンの傍らには、意識がないままの老婦人の姿があった。彼女こそ、年老いたノラ・アニタである。マーティンはノラのマネージャーであり、その後、夫となった男だった。子どもがいない二人にとって、半世紀にわたってドライブを楽しんでいた車は我が子同然。しかし、ノラの死期が近づいた今、マーティンは夫婦の思い出が詰まった車を手放さそうとしていた。

思い出は色褪せず、常に美しく、時に人を苦しめる。あの車は元気だった頃の奥様を想い出す一番のものですものね」

こう語るのは、マーティンの前に現れた峰不二子だ。不二子はディーラーと組んで、さらに車の価値を吊り上げようとしていた。ルパンに車を盗ませたのも、一種の話題づくりのため。言っていることと、やっていることの落差がすごい。しかし、ディーラーが銭形に捕まり、不二子のたくらみは暴かれてしまう。

罠を張って、ルパンを車ごと捕獲しようとする銭形。
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ライター情報

大山くまお

ライター。著書に『野原ひろしの名言』『野原ひろしの超名言』(双葉社)、『名言力』(ソフトバンク新書)、『中日ドラゴンズあるある』(TOブックス)など。

URL:Fire Stone and Water

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