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武田鉄矢、長渕剛を俳優にした名プロデューサーの抜擢力。追悼「金八先生」柳井満

2016年2月29日 10時00分 ライター情報:北村ヂン
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2016年2月1日。元・TBSドラマプロデューサーの柳井満さん(享年・80歳)が亡くなった。

柳井さんの代表作といえばもちろん、学園ドラマのド定番にして金字塔の「3年B組金八先生」シリーズ。脚本家の小山内美江子さんが金八の母だとすれば、全シリーズでプロデューサーを務めた柳井さんは金八の父なのだ。

2011年放送の「3年B組金八先生・ファイナル〜最後の贈る言葉」(TBS系)でキッチリとシリーズを完結させているとはいえ、柳井さんの死は、金八ファンにとってものすごくショックなニュースだった(ボクも!)。

追悼の意味も込め、そんな柳井満さんの足跡を振り返ってみたいと思う。
これくらい無茶なキャスティングのドラマ、あってもいいと思いますけどねぇ

「今までとは違う」柳井流ドラマプロデュース術


1958年、TBS(当時はラジオ東京)に入社した柳井さん。当初は報道志望だったらしいが、ドラマ制作部に配属される。

既に「ドラマのTBS」などと呼ばれていたイケイケな時代だっただけに、周りのドラマ制作部の人たちはドラマに一直線で、音楽など他のことにはまったく興味がなかったという。

そこで柳井さんは「先輩と違うことをやらなければ認めてもらえない」「今までとは違ったキャスティングで勝負しよう」と考えた。

「今までとは違った」柳井流のドラマプロデュースが最初にハマッたのがドラマ「愛と喝采と」(TBS系・1979年)。

当時、無名の新人シンガーソングライターだった岸田智史(現・岸田敏志)を、売り出し中の新人歌手という、岸田自身をほうふつさせる役柄で起用したのだ。

結果、岸田智史の演じる新人歌手・武井吾郎が劇中でスターになっていくのとリンクするように、現実の岸田も売れていき、岸田の歌った劇中歌「きみの空」も大ヒットした。

「演劇以外の世界(主にフォーク・ニューミュージック方面)から連れてきた人を役者にする」という柳井流のプロデュースが成功を収めたのだ。

私、今日あるのはあなたのお陰です(武田鉄矢)


その手法をさらに突き詰めたのが「3年B組金八先生」シリーズということになるだろう。

中学校を舞台にした学園ドラマを作るに当たって、柳井が考えていた教師役の条件は、

・音楽業界出身
・二枚目じゃない
・勉強ができそうにない
・中学生から見てアニキと思えるくらいの年齢

というもの。

この段階で、スマートではないけれど生徒たちの悩みに体当たりでぶつかっていく、という金八先生像が固まっていたのだろう。

そんな金八先生役として「演劇以外の世界」から連れてこられたのが、フォークグループ・海援隊の武田鉄矢だった。

ライター情報

北村ヂン

群馬県出身。ライター&イラストレーター。珍奇でバカでサブカルチャーなものが主な取材対象。「デイリーポータルZ」や「日刊サイゾー」などで執筆中。

URL:Twitter:@punxjk

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