
総務省と「ぴあ」がチケットの高額転売を防ぐために「マイナンバーカード」を活用したシステムの導入を検討していると日本経済新聞などが報じた。マイナンバーカードは元々身分証明書として官民問わず利用することを想定したものだが、ネット上では賛否の声が上がっている。
高額転売を防ぐシステムに賛否両論
日本経済新聞などによると、同システムはマイナンバーカードの「公的個人認証サービス」でチケットを購入した人を特定し、購入者のみが入場可能になるというもの。入場の際は、会場入り口でマイナンバーカードを読み取り専用の端末にかざすことで本人が特定できる。なお、認証にマイナンバー(12桁の個人番号)自体は使用しない。
マイナンバーカードをチケットの転売対策に利用する施策は、総務省が今年3月に公開した「マイナンバーカード利活用推進ロードマップ」に記載されていた。同資料では、今年5月頃からシステム実証を実施し、来年以降の実用化を図る想定となっている。既に実証実験は、今年3月にプロバスケットボール「B.LEAGUE」で行われていた。
しかし世間の反応は人によってまちまち。このシステムに賛同する人からは「これで転売ヤー終了」「不正転売がこれでようやく消滅するならどんどんやったらいいと思う」という声が。一方で、「番号を入力するわけではないようだけど、それでもセキュリティへの不安は拭えないのでは?」と否定的な声も少なくないようだ。
また、チケットを購入したい外国人はどうすればいいのか懸念する声もあった。
普及率はたったの8.4%
昨年1月から交付が開始されたマイナンバーカードの普及率はあまり芳しくないようす。総務省は今年3月8日までの、全国の“人口に対する交付枚数率”を発表しているが、たったの8.4%という寂しい結果に。最も普及率の高い宮崎県都城市でも、人口に対する交付枚数率は17.1%と2割にも満たない。
徳島県のようにマイナンバーカードの普及に取り組んでいる地域もある。日本電気株式会社は今年6月、徳島県が都道府県で初めてマイナンバーカードを“職員証”として利用し始めたことを発表。マイナンバーカードを利用して特定エリアの入退室管理を行っているようだ。