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世田谷区の漫画イベント騒動で「ネットリンチ」 区長謝罪後も続く担当者特定の動き

人気漫画家が、東京・世田谷区役所から受けた仕事で発生したトラブルを告発した。一部のネットユーザーが担当職員を特定しようとしていることなどについて、批判の声が上がっている。

世田谷区の漫画イベント騒動で「ネットリンチ」 区長謝罪後も続く担当者特定の動き
世田谷区の公式サイトに掲出された謝罪文


会場キャンセル料はギャラから差し引き?


『岡崎に捧ぐ』や『無慈悲な8bit』などの作品で知られる漫画家の山本さほ氏は10月2日、世田谷区が主催した国際漫画交流イベントで発生したトラブルの顛末を描いた漫画をTwitter上で公開した。それによると、担当職員は山本氏が事前に送っていたデータを紛失したのに加え、会場を誤ってダブルブッキングしていたそう。その上、「ダブルブッキングの責任の一端は山本氏にもあるので、会場キャンセル料はギャラから差し引く」と主張されたことや、イベントに参加する子供たちのための画材を自腹で買わされたことなどを暴露。山本氏は、「世田谷区役所と仕事したんだけど、やばすぎて笑うしかなかった…。人のことなんだと思ってんだろう」と嘆いていた。



山本氏の告発によって、ネット上では世田谷区役所を批判する声が噴出した。炎上を受けて、同区長の保坂展人氏は3日に「オーストラリアの姉妹都市交流のプログラムで、漫画家の山本さほさんに御協力をいただいたワークショップのことで、管理職に事実確認をしました」とツイート。「ダブルブッキングで生じたキャンセル料を謝礼から差し引く等の発言をしたことがわかり、山本さん他関係者に多大なご迷惑をかけたことをお詫びします」と謝罪した上で、担当者に厳正な指導を行うと伝えた。

スマイリーキクチは「どうか冷静な対応を」


区長が事態を把握して謝罪したことにより、この騒動もひとまずは落着かと思われた。しかし、今度は謝罪した区長のTwitterアカウントに対して「公務員はクソ」や「謝って終わりではありません」、「本人の名前だせ」といった怒りの声が殺到する事態となってしまった。

また、山本氏の漫画では担当職員の名前はイニシャル程度に留められていたが、一部のネットユーザーが彼を特定しようとしたせいで、担当者と見られている人物の真偽不明の情報も飛び交っている。

区長を批判する人々は、「SNS上の謝罪で終わらせず、再発防止に尽力してほしい」という義憤に駆られたのかもしれない。しかし、こういったネット上の動きを“ネットリンチ”と受け止めた人々も多かったようで、Twitter上では、「無関係な人間たちが言いたい放題」「無関係の公務員叩きをしている人たちはなんなのよ」「匿名をいいことに正義感丸出しなのが気持ち悪い」といった批判が巻き起こっている。さらにネットリンチを巻き起こすきっかけを作ったということで、逆に山本氏を非難する声まであがってしまっている。

タレントのマイリーキクチ氏はTwitterで、殺人事件の犯人だというネット上の噂のせいで長年に渡り誹謗中傷を受けた自身の体験を踏まえて、「正義と暴力は紙一重です」と強調。「度を越せば業務妨害罪にもなります。どうか冷静な対応を。お願いします」と呼びかけた。


謝罪すると「謝って終わりなんだな」


なお、山本氏は翌4日、担当者の上司2名から正式に謝罪があったことを報告した。しかし、そのツイートから「担当者本人は謝罪していない=反省していない」と判断して、担当者への怒りをなぜか山本氏に伝えるリプライもついている。

さらに世田谷区の公式サイトでは10月5日、「まんがワークショップに関するトラブルについて」と題した文章が掲出された。詳しい詳細を記した上で、「口頭のみではなく、書類による確認を徹底する」など具体的な再発防止策についても触れられている。しかし、そのページを引用した上で、「謝罪ポイントはもっとある」「謝って終わりなんだな」「短すぎません?」と批判する声もあり、世田谷区への怒りが収まらない人々が少なくないようだ。

(原田イチボ@HEW)

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