NHKが3月6日、BSプレミアムで4月から放送を予定していた連続テレビ小説「カーネーション」の再放送を急きょ中止し、「純情きらり」に差し替えると発表した。

 その理由は「カーネーション」に出演した俳優Kが、2月に強制わいせつなどの疑いで逮捕されたため。

NHK広報局は「出演シーンをカットして放送することも検討したが、総合的に判断した」と説明している。

 「カーネーション」の再放送は4月8日から半年間で、月~土曜日の午前7時15分から7時30分まで放送の予定だった。当初「純情きらり」をオンエアするはずだった月~土曜日の午後7時からは、代わりに「てっぱん」が再放送される。

 「カーネーション」(尾野真千子/夏木マリ主演)は11年10月から12年3月に放送され、全26話の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)19.1%を弾き出した人気の朝ドラ。俳優Kは、枡谷幸吉(トミーズ雅)が経営する枡谷パッチ店の職人・岡村役で出演していた。

 俳優Kは1月10日、東京都江戸川区内の路上で10代の女性に「芸能関係の仕事をしている。
紹介したい人がいる」などと言い、少女を車に乗せて約20分間連れ去り、同区内の路上に止めた車内で、体を触るなどわいせつな行為をしたとして、わいせつ目的誘拐や強制わいせつなどの疑いで、2月20日までに警視庁小松川署に逮捕された。

 予定されていた「カーネーション」の再放送が中止されたことで、同番組を楽しみにしていた視聴者は大いに落胆したに違いない。あくまでも、過去に放送したドラマの再放送であり、その判断には賛否両論が出るところ。俳優Kの役どころはチョイ役で、目立つほどの存在ではない。NHKとしては、予定通りに「カーネーション」を放送して、視聴者から苦情が出ることを回避した格好。

 俳優Kクラスの役者のために、放送予定の変更を余儀なくされたNHKにとっては、踏んだり蹴ったりというところか…。

(坂本太郎)