あなたは、「左利きって、何だかレアでかっこいい!」なんて思っていませんか?
そんなママに今日は、ちょっとアドバイスがあります。ズバリ! 左利きは不便です。
しかし、文字を書くことだけは右で書くようにしておいた方が何かと便利です。
そこで今回は、左利きを直した方がいい理由について、『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』の著者の立石美津子がお話しします。
■左利きはそのままだと右利きよりお金がかかる
まず、世の中の商品が右利き用にできています。ハサミ・包丁など左利き用のものは、100円ショップには売っていません。交通費をかけてデパートへ行って、割高な物を買うことになります。
需要が少ないのでメーカーもロット数を少なく作ります。だから、どうしても高い。それから、もっと不便なこと。それは、文字の筆順が右利の人が書きやすいようにできているからです。
筆者は、「サウスポーはかっこいいから文字を左で書かせてほしい」と強引に言ってくる保護者に次のように話しています。
「文字の筆順が右の人が書きやすいようにできているんですよ。
けれども、左に鉛筆を持ってみると左から右に書くことはとても書きづらいです。右利きの人は左に鉛筆を持って左方向から線を引いてみてください。次に右方向から線を引いてみてください。
お気付きになったと思いますが、左利きの人は右から左は楽に書くことができます。
ひらがなに限らず、漢字もローマ字も左から右に書くようになっています。ですから左利きは文字がとても書きにくくなります。
また、左手で書くと、書いている文字が手に隠れて見えないので、手の甲を向こう側に向けたようにして字を書くようになり、鉛筆の持ち方もおかしくなります。
左利きのアメリカ大統領オバマさんがサインする手元をテレビ画面でよく観察してみてください。
箸を持ったりハサミを使ったりボールを投げたりする時は左手でもよいですが、文字を書くのは右で書くよう習慣づけた方がよいですよ」
鉛筆は右利き。ちゃんとした意味があって、正しい持ち方がありますので正しい理解をしましょう。
■親が子どもにやってはいけない左利きの直し方
ただし、ここで誤解しないでください。子どもが左で鉛筆を持っているとき、「なんで左で持つの!何度言ったらわかるの!」と“左手は悪!”のような叱り方をしてはなりません。
怒られながら矯正されると、文字を書くこと自体が嫌いになってしまいます。
左で書いていることを叱るのではなく、褒めてやりましょう。
例えば、「左で字が書けるなんてビックリ。ママには絶対にできない技! もし、右手でも書けるようになると2本の鉛筆で書けるようになってスーパーマンみたい。
右手と左手の両方で書いたら、あっという間にお手紙書けちゃうね。右手でも書けるように練習してみようか」などと声をかけましょう。
それから、簡単に右利きに直る子どももいれば、そうではない子どももいます。
左手では書けるのに、不得意な右手で強制して書かせた結果、汚い字をずっと書いている……。自分のひどい文字を見ただけで勉強する意欲減退になってしまったら、大変です。
理想は右利きですが、無理な場合は”諦める勇気”を持って左で文字を書かせましょう。
【著者略歴】
※ 立石美津子・・・1961年大阪市生まれ。聖心女子大学在学中、幼稚園教諭・小学校教諭免許を取得、佛教大学にて特別支援学校教諭許取得後、障害児教育に携わる。32歳で株式会社パワーキッズ(教室名:エンピツらんど)を起業。
現在、教室に3歳~小学校3年生まで7,500名の生徒が通う。講演家・作家・自閉症児の子どもを持つ1児の母。
著書に『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』&『読み書き算数ができる子にするために親がやってはいけない104のこと』(中経出版)、『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』(あさ出版)がある。