アリーナツアー、幕張メッセ公演の模様をお届け!
| aiko Live Tour『Love Like Pop vol.13』 | 2010.04.25(SUN) at 横浜アリーナ |
aikoの勢いが止まらない。
デビュー12年目に突入した昨年7月にスタートしたライブハウスツアー【Love Like Rock vol.4】から始まり、たった1ヶ月の短いタームを挟んで、約4ヶ月にも渡る全国ホールツアー【Love Like Pop vol.12】(以下LLP)を開催。年明けの2月に最終日を迎え、8ヶ月にも及ぶライヴ三昧の日々が終了したかと思いきや、本人が去った後のスクリーンに"She is Back"の文字が現れ、4月から初のアリーナツアーとなる【LLP vol.13】の開催が発表された。そして、常に"ツアー中"という状態が反映された、aiko史上最もロックな最新アルバム『BABY』を携えて登場した、横浜アリーナ公演2デイズの2日目。66.4mという長い花道が用意されたステージを、やはり彼女は「花火」や「ジェット」を歌いながら、全速力で駆け抜けていた。
インストで演奏された「戻れない明日」から、いきなり特効が飛び出したアップテンポの「milk」を1曲目にチョイスした点に、最近の彼女の心境が色濃く現れていたように思う。この2曲に込められているのは、「後悔しない明日を迎えるために、大切なものは死んでも守る」という強い覚悟だ。デビュー以来、常に「どんなに広い会場でも一対一で歌を届けたい」という彼女にとっての大切なものとは言うまでもなく、自身が生み出す音楽であり、彼女の想いをまるで親友のように受け取ってくれる、一人ひとりのファンだろう。大切な人に会いたい、一緒に楽しい思い出を作りたいと思うのは自然なこと。だからこそ彼女は年々、ライヴが増えているのかも知れない。そして、aikoの口から発せられる深みを増したフレーズに含まれる優しさや温かさ、本気度や真実味は、生のライヴ会場でしか感じえないもの。この日は、3年前に同所で開催された【LLP vol.10】の追加公演で涙した「シャッター」や、フルコーラスは久し振りとなる「カブトムシ」を心を込めて、実にエモーショナルに歌い上げた。身体の中に静かに愛の温もりが満ちていくような感動は、センターステージで丸く組まれたアコースティック編成や暗転からの一瞬での早着替えという演出と共に、観客の胸にずっと残るだろう。アンコールでは、08年に開催された【Love Like ALOHA vol.3】を想って書かれた「夏が帰る」を歌い、「これからも一緒に年を重ねていきましょう」というあいさつの後で、桜の花びらが舞う中、最新シングル「向かいあわせ」を歌った。この日のライヴが、明日には忘れられない思い出となり、思い出の積み重ねが、明日の自分を作っていく…。それはもはや、人生を共に歩くパートナーのようなものではないかと思う。
全てが終了した後、花道を歩きながらアカペラで「三国駅」を歌った彼女は、マイクを通さずに「みんなとまた会えますように」と叫び、走って会場をあとにした。エンドロールが流れるスクリーンに目を移すと、「月夜の晩に彼女は現る」の文字が…。国立代々木競技場第一体育館と大阪城ホールでの追加公演が決定した。死んでもいい!と思えるくらいの情熱をもって走り続ける彼女は、そのスピードをまだまだ緩めるつもりはないようだ。
(取材・文/永堀アツオ)