アリーナツアー、幕張メッセ公演の模様をお届け!
| BoA THE LIVE 2011“X’mas” ~The 10th Anniversary Edition~ | 2011.12.10 (SAT) at 国際フォーラムA |
2011年を席巻したK-POPブーム。その礎はこの人が築いたのかもしれない…、BoA。シーンを牽引し続けてきた彼女が今年、日本でのデビュー10周年を迎えた。その記念すべき年の終わりに行ったスペシャルなライヴをレポートする。
会場を埋め尽くすファンは、サンタクロースの着ぐるみやトナカイのカチューシャなどを身につけ、これから始まる特別な時間を待ちわびている。ベルの音が響き渡り…さあ、ショウが始まった。ちなみに、【BoA THE LIVE】は通常のツアーではあまり披露されない楽曲や斬新なアレンジなどが楽しめるコンセプトライヴ。近年は年末の定番だが、この日は10周年記念の意味も加わり、クリスマスムードを味わいつつ彼女の軌跡をたどるという格別の内容となった。
ムーディーなホーンに導かれ、深紅のスパンコールのミニドレスを着たBoAが現れると、絶叫に近い大歓声が迎えた。ジャズフィーリング溢れる「Let It Snow」を歌う姿はまるでセクシーなサンタクロース。たった1曲で、会場は古き良き豪奢なナイトクラブに姿を変えたかのようだ。
大人の魅力で魅せたかと思えば、MCでは「10年経っても、タイトなジーンズにねじ込みます!」とおどけつつ、自然に「VALENTI」へといざなった。お馴染の大ヒット曲もこの日は情熱的なラテンビートに変身。男性ダンサーを従えて大胆に踊り、艶やかなハイトーンボイスを響かせるさまは、まさにザッツ・エンタテインメント!
中盤では“BoA TV SHOW”と銘打ち、彼女が好きな70年代ソウルミュージックの世界観をカラフルに演出。ピンクのスーツ&アフロヘアという斬新なビジュアルも相まって、キュートな“ソウルトレイン”のよう。ソウルフルなサウンドに乗せ「Shine We Are!」「NO.1」を高らかに歌う。曲間に女性ダンサーが鏡で隠した次の瞬間…シルバーの衣装に早着替えするなど、視覚でも十分に楽しませてくれる。
その後はバラードパートに突入。「JEWEL SONG」では繊細なビブラートから表情豊かで力強いフェイクまでを織り交ぜて歌いきった。また、彼女の最近のフェイバリットで、2011年世界を驚嘆させた女性アーティスト、アデルのカバーでは悲しい歌詞を情感たっぷりに見事歌い上げた。圧倒的な歌唱力で感動に包みながらも、MCでは「ねえ、この話しウケてないよね? すみません。話しがいまだにヘタで…」と苦笑い。こんなかわいい素顔が見えるのもライヴならでは楽しみだろう。
終盤にはロック風のクールな女性に変身し、パワフルなポジティブソング「Rock With You」を熱唱。ヒップホップ系アガるナンバー「BUMP! BUMP!」では観客がジャンプするなど、誰もが一体感を味わったとき、BoAはぽつりと語りはじめた。「最初の頃は2、3年で韓国に帰るんだろうなって思っていたから、こうして今も皆さんの前で歌えることが幸せです。この先も不安と期待を胸に頑張っていきます」。そんな彼女の心情を物語る曲として、本編ラストで歌われたのが「Milestone」。道標を意味するこの曲を、シンプルなピアノ伴奏に乗せ、ときに吐息のように、ときには自分に言い聞かせるように丁寧に歌い、語った。
静かな感動が漂うラストを迎えてもなお、観客はもっと彼女の歌を欲しがった。それに応えるように、ピュアホワイトのワンピースで再登場したBoA。もちろん、この日の締めくくりは「メリクリ」。満天の星空の下、響き渡る伸びやかな歌声。「これからの10年もよろしく」と、最後に短く、けれど心を込めてメッセージした彼女の熱い想いは、一人ひとりの胸にしっかり届いたに違いない。
(取材・文/橘川有子)