<ISPS HANDA スコットランド女子オープン 事前情報◇21日◇ダンドナルド・リンクス(スコットランド)◇6543ヤード・パー72>

かつて主戦場にしていた米国女子ツアーと、現在プレーしている欧州女子ツアーが共催するスコットランドのナショナルオープンに、上原彩子が2019年以来、7年ぶりに出場する。
当時は毎年コースを変えるサーキット大会だったため、このダンドナルド・リンクスを回るのは、17年以来、実に9年ぶり。
「あまり(コースを)覚えてなかったですね」と苦笑いを浮かべるのも無理はない。

13年から23年まで参戦していた米女子ツアーだが、24年に1試合だけ出場した「ポートランド・クラシック」を最後に遠ざかっている。それだけに「共同開催ですが、ひさしぶりのLPGA(米女子ツアー)でのプレーなので、最低限、予選は通過できるように頑張りたい」と、気合も入る。

体調不良により21年7月に米ツアーを一時離脱。公傷制度を利用し22年8月末に復帰したが、11年目のシーズンになった23年にシードを喪失した。そして同年末にQTを受け参戦したのが、欧州ツアーだった。

24年からプレーし、今年で3年目。今季はここまで15試合に出場。ポイントランキングは86位だが、5月にフランスで行われた大会では9位に入っている。今大会も、欧州ツアーメンバーとして出場権をつかんだ。

42歳になった今も、ツアーを戦うモチベーション、そしてゴルフへの情熱は変わらない。欧州のみならず、同ツアーに組み込まれているサウジアラビアやオーストラリア、南アフリカ、モーリシャスなどの試合にも出場してきた。
「場所によってコースもコンディションも全然違いますね。ヨーロッパは面白いコースが多いので、そのなかでプレーできるのはすごく楽しいです」。そう話す目はキラキラと輝いている。昨年は「16カ国」を訪れたとも振り返る。

もちろん、苦労がないわけではない。真っ先に挙げたのが気候の変化。夏でも涼しい場所が多い欧州は、家やホテルに冷房が設置されていないことは珍しくないが、今年も熱波が各地を襲っているように、年々、気温の上昇を感じている。

「去年も暑くて、40度を超えるような場所もありました。クーラーがないなかでの体調管理は、今まで経験したことがなかったですね。日本は暑くても建物に入れば涼しい。こっちは窓を開けても熱風が入ってくるので締め切るしかない。そこでのコンディション作りがすごく大変で」

試合の後、寝苦しい部屋では体も頭もなかなか休まらない。
「フレッシュな状態で臨みたいけど、疲れも抜けなくて」。今年は6月「トランスポルト・チェコ女子オープン」のために訪れたチェコが、最も暑さに苦しめられたという。「ペットボトルを凍らせてそれを抱きながら寝たり」。こんな工夫もしながら、戦える状態を作り上げている。

沖縄の拠点から、各国を行ったり来たりする毎日。どれだけ苦しい思いをしても「楽しい」という気持ちを萎えさせるものなどない。「できるだけ、やりたい(ツアーに出場したい)と思っています」。戦い続ける理由はシンプルだ。今後は通算3勝を挙げている日本ツアーに戻る可能性も否定はしない。だが最優先は海外でプレーし続けることだ。

「動ける間はいろいろなところに行きたい。海外でできるのも、ゴルフをやっているから。
いまだにいろんな国に行って、いろんな出会いもありますし、ゴルフを通して人生を楽しませてもらっている。なので、できるだけやり続けたいですね」

帯同トレーナーと一緒に、試合さえあればどこでも飛んで行く。この試合を終えると、来週月曜日(27日)には、30日開幕のメジャー「AIG女子オープン」(全英、ロイヤルリザム&セントアンズGC/イングランド)の出場権獲得を目指し、予選会にも挑む。このスコットランドでの試合も、長いシーズンの1試合に過ぎない。現在の生活を語る上原の表情は、終始、充実感に満ちあふれていた。(文・間宮輝憲)
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