一時は受注停止になるほどの人気を集めた、ジムニーの5ドア車「ジムニー ノマド」が、一部仕様を変更し、「ジムニー ノマドII型」と称して7月1日に発売されています。その実力を確認するためにオフロードなどで乗ってきました。
待望の「II型」へ進化!
前車速追従ACCなど安全装備が大幅アップデート
一部仕様変更の内容は主に運転支援システムまわりで、従来は複眼カメラ(ステレオカメラ)が主センサーだったものを、ミリ波レーダー+単眼カメラの「デュアルセンサーブレーキサポートII」へと変更。それにともなってか、4ATモデルに採用していたACC(アダプティブクルーズコントロール)が、従来は30km/h以上で機能していたのに対し、II型では前車速追従型へと変更。停止状態まで機能するようになりました。
ですが電動パーキングブレーキではなく通常のハンドブレーキ仕様なので、停止保持は約2秒間までとのこと。また、II型では5速MTモデルにもACC(こちらは30km/h以上)を装備しました。
インテリア面では、インパネ内部のLCDがモノクロからカラーになったこと。そして、メーカーオプションのバックアイカメラ付ディスプレイオーディオがスズキコネクト対応となり、いわゆる緊急通報システム「SOSボタン」機能が追加されました。
II型の変更点は以上で、よく見ればフロントバンパーにミリ波レーダーとソナーがある以外、エクステリアに変更はなさそう。走行面に至ってはI型からの変更はないようです。
ノマドは街中では時折見かけるものの、ジックリと拝見するのは初めて。ボディーサイズは全長3890×全幅1645×全高1725mmと、3ドアのジムニー シエラに比べて340mm伸長。これはまんまホイールベースを伸ばした長さと同じで、横幅も高さもジムニー シエラと変わりはありません。
日本で人気のSUVであるHondaのVEZELや日産キックス、トヨタRAV4に比べると、遥かに小さく、イマドキ珍しい「5ナンバー」のクルマ。
エンジンは1.5L 直4 自然吸気。モーターとかジェネレーターなどない、純然たるガソリンエンジン車です。トランスミッションは5速MTか4速ATという、これまた「いつの時代だ?」と思う仕様。ちなみに、燃費は5速MTが14.9km/L、4速ATが13.6km/L(いずれもWLTCモード)とのこと。
街乗りの快適性より、悪路走破性に振りきった走行性能
それは、走ってみましょう。最高出力101馬力、最大トルク13.3kgf・mなんですが、一言で言えば「全然進まないんですけど!」と。同社のほかの軽自動車の方が出足が良いのでは? と思わなくもありません。乗り心地も最近のクルマと比べると快適ではありません。不快感を覚えるわけではないのですが、同社の軽自動車があまりにも優秀なので……。さらに言えば小回りもあまり効きませんし、車庫入れ時は大きくハンドルを回す必要があります。
なぜここまでぶっちゃけるのかと言うと、5ドアだからといって「現代の普通のSUV」としてジムニー ノマドをお迎えすると、「思っていたのと違う」ということになりえるから。もし家族みんなのクルマもし家族みんなのクルマと考えているなら、パートナーと試乗することをオススメします。
普通のクルマと違うのは、当然の理由がありまして。それは不整地路面での走破性に注力しているから。デコボコ道だって平気です。コロンと転がるんじゃないかと思えるような状況でも、ぬかるんでいる道でも、激坂でも、ジムニー ノマドはどこ吹く風。デコボコ道を走りながら、子供の頃に見た〇〇探検隊シリーズを思い出すとともに、ものすごくワクワクしたことを告白します。
5ドアの恩恵は絶大!
肉厚シートで快適な後席と、実用的な荷室スペース
話をインテリア面に変えましょう。まずは荷室から。後席を使う4名乗車時で容積は211L、後席を倒せば奥行き約600mmの荷室床面長が確保できます。後席シートの肉厚化によりフラットではなくなりましたが、純正アクセサリーのラゲッジボックスを購入すればフラット化が達成できるとのこと。荷室にアクセサリーソケットが用意されているのは、とても親切だと思います。
後席は5ナンバーなので狭いものの、3ドアのジムニー シエラを知る身としては、思ったよりは広いという印象。3ドアのシエラと比べ、前席との距離は90mm長いほか、着座位置が50mm後退しているので、大人が座っても、膝回りに少し余裕があります。なによりシートクッションがシエラよりも肉厚なので、座り心地がとてもよいです。
シート表皮は撥水加工がされているので、濡れたコートのまま着座しても全然OK。このあたりはさすがといったところ。なお、USB充電ポートという便利なものはありません。
運転席は基本的にシエラと同等。オプションのバックアイカメラ付きディスプレイオーディオ・スズキコネクトは12万8700円です。
MTレバーのほかに用意されているのが、トランスファー(前後のタイヤへの出力配分を変えるシステム)の切り替えレバー。走行中にガチャンと切り替えるのは怖いので、停車中にいじってみたのですが、これがかなり硬く、おそらく誰もが「壊れているのでは?」と思うほど。普段乗りで4Lというモードにすることはないでしょうけれど……。でもこのクルマを買ったら「使ってみたい」と思い、荒れ地に挑むことでしょう。自分ならそうします。
USB周りをチェックしたのですが、そのようなものはありません。シガーソケットにUSB充電器を差し込む、という使い方が一般的でしょうし、そういうカスタマイズがジムニーには似合うと思います。
さて価格ですが、車両本体が292万円。これにオプションとして、バックアイカメラ付きディスプレイオーディオ・スズキコネクト装着車(12万8700円)、フロアマット(1万7600円)、ドライブレコーダー(3万8940円)、ETC車載器(1万5400円)などが必要になりますから、ざっくり310万円くらいでしょうか。
趣味性の高いスタイリング、実用性や高い悪路走行性能を考えるとコスパが良いかも、と思ったのは言うまでもありません。
■関連サイト
ジムニー ノマドギャラリー

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