本実証実験は、国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下、「防災科研」)が主宰する「室内空間を中心とした機能維持のための研究会」において、同研究所が保有する実大三次元震動破壊実験施設「E-Defense」での「室内空間・機能を対象とした地震災害軽減および被害判定のためのE-ディフェンス実験」の機会を活用し、合わせて実施したものです。
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写真1.撮影画像イメージ(加振実験時にTRIFORAで撮影)
■背景
大規模地震への備えや企業のBCP強化が求められる中、災害発生直後の状況把握を、現地確認に依存せず、遠隔から迅速に把握する仕組みの重要性が高まっています。そのなかで、地震発生時においては、被災状況を正確かつ迅速に把握することが、初動対応や復旧の判断に重要な要素となります。一方で、従来は地震計の数値データと、現地映像・目視確認が別々に行われており事後の切り出しや編集作業が必要となるため、状況把握に時間を要するなどの課題がありました。TOAとIMV両社はそれぞれの技術を融合し、地震時の状況把握を迅速化、高度化する新たな仕組みの構築に取り組んできました。
■実証実験の概要
本実証実験は、防災科研が進める「室内空間を中心とした機能維持のための研究会」に関連する振動台実験の一環として、実大三次元震動破壊実験施設「E-Defense」で実施したものです。ここで、実物大の建物構造体に実際の地震動を与え、現実に近い条件下で挙動を再現しました。
構造体には、IMV製の地震監視装置「S-QUBE(SW-9033)」および、TOA製ネットワークカメラシステム「TRIFORA」を設置し、双方を連携させた機能の有効性を検証しました。阪神・淡路大震災で観測された地震波や、首都直下地震を想定した地震波を用いて構造体を振動させ、以下の機能を検証しました。
● 長周期地震動を含む地震発生時の揺れをリアルタイムに検知
● 揺れ始める前を含む地震発生時の録画映像を出力
これにより、地震計がしきい値を超える揺れを検知した際に、揺れ始める前から地震発生時にかけての録画映像をネットワークカメラ「TRIFORA」からIMV製の装置へ出力できることを確認しました。これにより、事後の切り出しや編集作業を必要とせず、発災直後の即時対応に貢献できることが実証されています。
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写真2.ネットワークカメラTRIFORA
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写真3.地震監視装置S-QUBE
■想定される活用シーン
本システムは、以下のような用途での活用が期待されます。
● 製造業における生産ラインや設備の被災状況の即時確認
● 企業の複数拠点や海外拠点の遠隔からの状況把握(BCP対策)
● 公共・インフラ施設における、安全確認や室内状況の把握
これにより、遠隔地から現地へ人員を派遣する前に状況を正確に把握でき、初動対応の優先順位付けや迅速化、二次災害リスクの低減に貢献します。
■本実証の位置づけ
本実証は、2026年7月28日に発表した「振動・音響・映像技術を活用した連携強化」の一環であり、「防災分野におけるセンシングと可視化技術の連携」を具体化する取り組みとして位置づけられます。
関連ニュース: https://www.toa-global.com/ja/news/corporate/202607/260728
本実証の取り組みは、災害時における室内被害の可視化や、事後の検証・分析の高度化に資する技術として期待されています。 TOAおよびIMVは、本実証で得られた成果をもとに、製造現場や公共インフラ、医療機関などを対象に実運用環境での検証を進め、本システムの実用化に向けた具体化を図ります。
■TOA(ティーオーエー)株式会社について
1934年創業、兵庫県神戸市に本社を置くTOAは、業務用音響・映像機器のグローバルメーカーです。国内35拠点、海外27拠点を展開し、交通施設や商業施設の案内放送・BGMから、大規模スポーツ施設の音響システム、防犯カメラ・録画機器まで、幅広いソリューションを提供しています。
日本で初めて火災時に建物内の人々へ避難を呼びかける「非常用放送設備」を開発し、国内シェアNo.1を獲得。さらに、従来の2倍以上の距離まで明瞭な音声を届ける「防災用スピーカー」を開発し、大規模災害の警報用途として日本全国の自治体で採用されています。
近年はAIやネットワークなどのデジタル技術を活用し、遠隔対応や双方向コミュニケーションを可能にする新たなソリューションを構築。すべての人が適切に情報を受け取れる社会の実現を目指し、多様なニーズに応える製品・サービスの開発に挑戦し続けています。
URL: https://www.toa-global.com/ja
■会社概要
設立 : 1949年4月20日(創業:1934年9月1日)
資本金 : 57億28百万円
従業員数 : 3,083名(連結) 823名(単体)
代表者 : 代表取締役社長 谷口 方啓
本社所在地: 兵庫県神戸市中央区港島中町七丁目2番1号
事業内容 : ・拡声放送機器、通信機器、その他情報伝達機械器具の製造販売
・音響機器、映像機器、その他電子・電気機械器具の製造販売
・上記機器の賃貸ならびに工事の設計施工
・音響・映像に関するソフトウェアの企画・制作ならびに販売
・電気通信を利用した各種サービスの提供
・電気通信事業
・ホール・スタジオの賃貸経営ならびに
音楽等のイベント・催し物の企画運営
※2026年3月期実績