●AirPods紛失から始まった「最適イヤホン」探し イヤーカフ型は一長一短
過去に数年間、音楽ランキングマニアだった記者は、音質には少しうるさい。有線イヤホン(純正イヤホン含む)を使用し、ネックバンド型ワイヤレスイヤホンを経て、2020年代に入って初めて買った完全ワイヤレスイヤホンは、Appleの「AirPods Pro(第1世代)」だった。しかし、自宅内でイヤホンの片方を紛失し、探しても見つからず、代わりに慌てて「アクティブノイズキャンセリング搭載 AirPods 4」を購入したが、購入直後に今度は自宅外で片方のイヤホンをなくしてしまった。
以来、Apple製以外のベストなワイヤレスイヤホンを求めていくつか購入したが、そのうち、条件付きで気に入った製品を「ちょっといい。ちょうどいい。」モノの例として紹介しよう。
現在保有しているイヤホン(主なもの)は、Amazonのインイヤー型「Echo Buds(第2世代)」、Ankerのイヤーカフ型「Soundcore AeroClip」、ソニーのイヤーカフ型「LinkBuds Clip WF-LC900」、OPPOのインイヤー型「OPPO Enco Buds3 Pro True Wireless Earbuds」の4機種。購入時点の価格またはオンラインショップ価格は、Echo Buds(第2世代)が1万960円、Soundcore AeroClipが1万7990円、LinkBuds Clipが2万7500円、OPPO Enco Buds3 Proが2980円と、かなり開きがある。ちなみに「AirPods Pro(第1世代)」の購入時の価格は約3万円だった。
難しいことにイヤホン・ヘッドホンは、高額な製品ほど音質が良いとは限らない。そもそもインナーイヤー型とイヤーカフ型では音の抜けが異なるのだ。イヤーカフ型は「周囲の音が聞こえる」という仕様ゆえに、音質の点ではカナル型(耳栓型)などに比べると低音再生や没入感の点で不利になりやすく、特に走行音の大きい地下鉄の車内などではかなり不満を感じる。
●名曲の「オリジナル版」と「令和の新バージョン」で聴き比べる
ワイヤレスイヤホンの音質をチェックするために再生した楽曲は、男性3人組ユニット・TMNETWORKのヒット曲である『Get Wild』(1987年)とそのリメイク版となる2024年4月配信の新曲『Get Wild Continual』、男女2人組ユニット・TWO-MIXのシングルデビュー曲『JUST COMMUNICATION』(1995年・アルバム『BPM132』収録版)とそのリメイク版となる2026年3月配信の新曲『JUST COMMUNICATION -EW-』の4曲。
『Get Wild』はTVアニメ『シティーハンター』のエンディングテーマとして知られており、多くの方がどんな曲か思い出せるだろう。このオリジナルのエッセンスを生かしたアップデート(進化)をコンセプトに制作したという新バージョン『Get Wild Continual』はNetflix映画『シティーハンター』のエンディングテーマに起用され、話題となったことも記憶に新しい。
一方、『JUST COMMUNICATION』は知らない人のほうが多いかもしれない。こちらは女性ボーカルで、TVアニメ『新機動戦記ガンダムW』のオープニングテーマに起用されたため、作品ファンやガンプラ愛好家にはよく知られている曲だ。なお、同じ過去の人気曲のリメイクながら、『Get Wild Continual』はボーカル新録、『JJUST COMMUNICATION -EW-』は当時のボーカル音源を活用と、曲作りのアプローチは異なっている。
価格帯とタイプで考えると、イヤホン4機種のうち、Amazonの「Echo Buds(第2世代)」がベストになるはずだが、ボーカルの声の伸びや音の響きに物足りなさを感じた。イヤーカフ型同士を比べると、差はわずかながら、ソニーの「LinkBuds Clip WF-LC900」のほうが低音までしっかり聴こえ、特に『Get Wild』や新バージョン『Get Wild Continual』は細かい音がよく聴こえ、何回聴いても『Get Wild』&『Get Wild Continual』はイントロからアウトロまですべて良いと、改めて惚れ惚れした。
条件付きで気に入った製品とは、最も安価な「OPPO Enco Buds3 Pro」だ。このイヤホンを装着して、『Get Wild』や『JUST COMMUNICATION』を再生した瞬間、口コミ通り、高音が強すぎると感じた。
両曲ともオリジナル版に比べ、全体的にサウンドは軽めだ。その軽さが人為的に強化された音質と合う。今の音楽シーンのトレンドに沿った曲なら、むしろ「OPPO Enco Buds3 Pro」こそベストなのかもしれないとも感じた。価格も圧倒的に安いのでコストパフォーマンスは抜群だ。
なお、同じイヤホン・ヘッドホンでも、ビットレートやロスレス配信対応の違いから、音楽配信サービスを変えるだけで音質が良くなったように感じられる場合がある。つまり、せっかく価格の高い高音質イヤホンを手に入れても、利用している音楽配信サービスのビットレートが低いほうだと、本来の性能は引き出せていないといえる。その点でも「OPPO Enco Buds3 Pro」は、音楽配信サービスによるクオリティの差が気にならないので良かった。有料のサブスクリプションサービスに加入しなくとも、広告付き無料プランで多くの楽曲を楽しめる音楽配信サービスが普及した時代、まさに「ちょっといい。ちょうどいい。」イヤホンだ。
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