サッチャー元英首相による、ペルーのコカイン撲滅計画の存在が判...の画像はこちら >>



 マーガレット・サッチャー元英首相が、兵器化した蛾を使用してペルーのコカイン作物を秘密裏に妨害する計画を立てていたことが明らかになった。



 1989年当時、英国に輸入される麻薬を取り締まるため、南米での収穫を壊滅させる「スマート爆弾」として、コカの葉を好んで食べる南米原産の「エロリア・ノイエスの蛾」を活用するという奇抜な戦略について、サッチャー氏が説明を受けていたとみられている。



 この事実は、英国国立公文書館によって機密解除された文書から判明した。それによると、サッチャー政権は、クラスA薬物の製造に使用される植物であるコカの作物を食い荒らさせるため、大量の蛾をペルーに配備することを検討していた。



 英外務省のある文書では、「1987年7月から1988年2月にかけて、タラポト周辺地域で前例のないエロリア・ノイエスの群れが、違法に栽培された2000ヘクタールのコカ植物を枯らし、麻薬密売人に3700万ドル(58億8000万円)以上の損害を与えたと報告されている」と説明されている。



 さらに、同文書には「この蛾が違法作物の生物学的防除に大きな可能性を秘めていることは明らかである。ただし、この昆虫を多数繁殖させる方法が見つかることが条件となるが」と記されていた。



 また、別の文書では、「(蛾による)大発生は、コカ農園に重大ではあるが局地的な被害をもたらし、収量を減少させる可能性が高い」「エロリアについて知られていることからすると、それは非常に射程の短い『スマート爆弾』と考えることができる」と記されている。



 一方、ペルー政府は、コカイン産業を麻痺させるため、ソールズベリー近郊にある英国の最高機密防衛研究施設ポートン・ダウンの軍事科学者に、何千匹もの蛾の飼育を開始するようサッチャー氏のチームに要請したと言われている。計画では、その蛾をペルーまで空輸し、ヘリコプターで麻薬農園の上空から投下することになっていた。



 ある文書によると、サッチャー氏はこの提案を「追求するに値す るほど十分に興味深い」と感じていたことが示唆されており、別の文書では、この蛾の計画が「比較的安価で単純なもの」と評価されていた。



 計画への関心にもかかわらず、ペルー政府からの財政支援が得られなかったため、このアイデアは最終的に見送られた。なお、英国政府はこの計画が一度も実行されなかったにもかかわらず、立案に 10万ポンド(2100万円)を費やしたとされている。



文:BEST T!MES編集部

編集部おすすめ