有吉弘行が、6月7日放送のJFN系ラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(毎週日曜20:00~21:55)で、「ポイ捨て」に対して渋谷区が導入した2,000円の過料制度に言及。「ポイ捨てってめっちゃ困るんだよ。
犬がタバコ食べちゃったりとか……。ああいうの困るんだよ。いつも」と嘆き、「しっかりやってほしい」「バンバンやってほしいのよ」と指導員による取り締まりに期待を寄せた。

ポイ捨ては「マナー違反」というイメージを持つ人も少なくないが、法律上は刑事罰の対象となり得る違法行為だ。ゴミの種類や捨てた場所、状況によっては、廃棄物処理法や軽犯罪法、道路交通法などに違反する可能性があり、火災につながればさらに重い罪に問われるケースもある。

では、どのような場合に法的責任が生じるのか。また、渋谷区のような「過料」は全国共通なのか。アディーレ法律事務所の大垣優希弁護士に、ポイ捨てを巡る法律上のポイントを聞いた。

○たばこのポイ捨ては失火罪や放火罪の可能性も

――そもそも、ポイ捨てをすることは法律上の罪になるのでしょうか?

ポイ捨てをすることは、単なるマナー違反ではなく、刑事罰の対象となり得る違法行為です。ゴミをポイ捨てした場合、廃棄物処理法(16条)や軽犯罪法(1条27号)違反にあたることがあります。また、車の運転中にポイ捨てをした場合には道路交通法(76条4項4号・5号)違反、河川にゴミを捨てた場合は河川法施行令(16条の4第2号)違反となることがあります。さらに、たばこの吸い殻を十分に消火しないまま捨て、火災を発生させたような場合には、失火罪(刑法116条)や放火罪(刑法108~110条)に問われる可能性もあります。


実際に、直近では今月3日、路上にたばこの吸い殻を捨てたとして、20代の男女が軽犯罪法違反の疑いで書類送検されたと報じられています。近隣住民からの苦情などをきっかけに捜査が行われ、検挙に至るケースも少なくないようです。

――ポイ捨てするゴミの種類によって、罪の重さは変わりますか?

ゴミの種類によって罪の重さが変わることはあります。お菓子の包み紙やレシートを捨てる行為と比べると、火のついたたばこの吸い殻や割れた空きビンをポイ捨てする行為は、火災やけがを引き起こす危険性が高いため、より悪質と評価されやすいでしょう。

もっとも、罪の重さはゴミの種類だけで決まるものではありません。捨てた場所や周囲の環境、行為の態様、危険性の程度、常習性の有無などの事情を踏まえて総合的に判断されます。例えば、同じ空き缶のポイ捨てであっても、人目のない場所で一度だけ行われた場合と、観光地や公園などで繰り返し行われた場合とでは評価が異なり得ます。また、火災やけがなどの被害が発生した場合には、より重い責任を問われることもあります。

――渋谷区でポイ捨てをすると2,000円の過料が科されることについて、有吉弘行さんが自身のラジオ番組で言及されていました。ポイ捨てをした際の「制裁」は、地域によって異なるのでしょうか?

ポイ捨てをした際の「制裁」は、全国一律ではありません。適用される条例は、地域ごとに異なるためです。渋谷区の場合は2,000円の過料が規定されましたが、別の自治体では罰金、科料、過料の金額が異なるほか、重点的に取り締まる対象が異なる場合もあります。
また、そもそも条例で罰則規定を設けていない自治体もあります。

もっとも、地域差があるのは主として条例上の取り扱いの部分です。ポイ捨ての態様によっては条例ではなく、先ほど述べたような法律が適用されることもあります。この場合は全国共通の法律に基づいて判断されるため、地域によって結論が変わるわけではありません。

■法律解説者プロフィール
大垣優希弁護士(第一東京弁護士会所属)
アディーレ法律事務所
夫婦問題や遺産相続、債務整理など、多様な一般民事分野に関心を持つ。法律分野に留まらず、日本化粧品検定1級の資格も保有するなど、専門性のさらなる深化にも意欲的で、身近な悩みに根拠をもって寄り添う解説を志す。
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