黒木華が主演を務める舞台『NORA』が、11月にWOWOWで放送・配信されることが決定した。舞台本編に加え、黒木が作品の魅力を語る独占インタビューも放送・配信される。


本作は、ヘンリック・イプセンが1879年に発表した近代劇の名作『人形の家』を、スマートフォン中心の現代社会へ大胆に置き換えた作品。妻や母という役割の中で生きてきた主人公・ノラが、一人の人間として自身の人生と向き合っていく物語を、現代のコミュニケーションのあり方と重ねながら描く。

○スマホ上の会話を舞台上に投影

演出を手掛けるのは、ティモフェイ・クリャービン。

登場人物たちの会話の多くはスマートフォン上で交わされ、その画面を舞台上に投影。入力された言葉だけでなく、言葉の裏側にある本音と建て前、すれ違い、関係のほころびを浮かび上がらせていく。

すぐに誰かとつながることができる一方で、本当に気持ちは届いているのか。便利になったはずの現代社会において、なぜ人は分かり合えないのかを問いかける。

主人公・ノラを演じる黒木。ノラは、銀行に勤める夫・ヘルメルと子どもたちに囲まれ、周囲からは満ち足りた生活を送っているように見える。しかし、ある秘密をきっかけに日常が静かに揺らぎ始め、夫婦、家族、そして自分自身との関係を見つめ直していく。

共演には、夫・ヘルメル役の勝地涼、ノラの友人・クリスティーン役の瀧内公美、ノラを追い詰めるクログスタ役の鈴木浩介のほか、石村みか、今井公平、越後静月、大滝樹、小幡貴史、木山廉彬、中野風音らが名を連ねる。

入力中の文字、消した文面、検索履歴まで映し出す


舞台上に現れるのは、スマートフォンを通して実際に送られた言葉だけではない。


入力する言葉や消した文面、検索履歴、そして言葉になる前の沈黙。複数の情報を同時に立ち上げることで、登場人物たちの距離や感情を映し出す。

他人の目を意識するデジタル空間での自分と、生身の自分との間には何があるのか。『NORA』では、古典作品が描いてきた人生の選択を、現代の生活感覚へと接続している。
○黒木華「文字も実際に役者がリアルタイムで打ち込んでいる」

WOWOWでは、舞台本編とともに黒木の独占インタビューも届ける。

黒木は作品について、「この舞台の大きな特徴は、舞台上には携帯電話のやり取りが映し出されて、その文字も実際に役者がリアルタイムで打ち込んでいるんです」と説明。

劇場では、舞台上で同時に起きることが多く「どこを追ったらいいのか」という側面もあるとした上で、映像作品になることで「どういう風な感覚で見て下さるのかなっていうのが楽しみ」と期待する。

さらに、「細かいところまで多面的に見ていただけたら面白い、あまりない舞台なんじゃないかなと思います」と見どころを語っている。

舞台の収録は、7月22日に東京芸術劇場 プレイハウスで行われた。

【編集部MEMO】
黒木華は1990年3月14日生まれ、大阪府出身。舞台をはじめ、映画、ドラマで幅広く活動。映画『小さいおうち』で第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞したほか、『リップヴァンウィンクルの花嫁』『日日是好日』などで主演を務める。
テレビドラマでは『重版出来!』『凪のお暇』『銀河の一票』などに出演する。
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