北朝鮮の朝鮮中央通信は11日、朝鮮労働党と政府、軍の幹部を集めた「党・政・軍連合会議」が10日に平壌で開かれ、人民軍総政治局の前組織副局長、パク・フィチョル氏の特大型汚職事件が取り上げられたと報じた。会議では最高裁判所による判決が発表されたというが、具体的な刑罰は明らかにされていない。

金正恩総書記の主導の下、実質的な「公開裁判」で裁かれただけに、極刑を含む重罰が下されたと見られる。また、同通信はパク氏が「腹心と追従者を重要職制に配置して党の唯一的軍指導体系の確立を阻害した」と断罪しているだけに、同氏に近い複数の人物が粛清された可能性もある。

実際、2013年12月に金正恩総書記の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長が処刑された際にも、彼の側近たちに対する粛清は苛烈をきわめた。

当時、張氏に先立って処刑されたのが、腹心の李龍河(リ・リョンハ)党行政部第1部長と張秀吉(チャン・スギル)同副部長だった。刑は、平壌郊外にある姜建(カンゴン)軍官学校の練兵場で執行された。

韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使の著書『3階書記室の暗号』や、国情院次長や大統領補佐官を歴任した羅鍾一(ラ・ジョンイル)氏が著した『張成沢の道』などの情報を総合すると、その様子は次のようなものだった。

11月末の朝、党・軍・行政機関の幹部ら数百人が練兵場に集められた。練兵場には白い大きな幕が張られ、その背後に人の気配がした。10時ごろ、幕が取り除かれると、木の杭に縛り付けられた2人の姿があった。国家安全保衛部(現国家情報局)の特別裁判官が「個人的な幹部に盲従盲動して反党、反革命、宗派行為を行った」との判決文を読み上げ、刑の即時執行を宣言した。

ここで用いられたのは、大口径の4銃身高射銃である。これで撃たれると、人体は原形をとどめず文字通り「ミンチ」となる。

さらに、バラバラになった2人の遺体は火炎放射器で焼かれ、その場で灰になったという。

金正恩氏の祖父・金日成主席や父・金正日総書記も、数多くの政敵を容赦なく抹殺した。しかし、高射銃や火炎放射器を用いるといった、猟奇的とも言える手法が伝えられた例はない。一連の粛清は、先代たちに勝るとも劣らない、金正恩氏の残忍さを世界に見せつけることになった。

編集部おすすめ