レビュー

触れたことがないものは、なんでも恐怖の対象になりやすい。ましてや、自分たちの土台に“挑戦”してくるように見えるものは、なおさらである。


経理で生成AIを使うとなると、「数字を間違える」「セキュリティーが心配」「何に使えるのかわからない」という言い訳の声があがるという。しかし、多くの仕事で生成AIが取り入れられているいま、そこで立ち止まっていたら、「使わないリスク」が大きくなる一方である。 
みずからも公認会計士として、経理・会計業務に生成AIを活用している著者が、この組み合わせで何が起きるのかをまとめたのが、本書だ。Geminiを中心に解説しているが、ClaudeでもChatGPTでも、「経理業務に活かすための『考え方』と『段取り』」の本筋は変わらない。アナログ業務をBeforeとし、生成AI導入後のAfterがどう変わるのかという観点で、企業規模まで照準に入れてまとめてくれている。
生成AIで何もかもが解決できるわけではないが、あんな業務、こんな業務が時短化できる実感をもてるのではなかろうか。それによって自分の仕事がなくなってしまうと危惧するより、本来、人間自身が責任をもつべき業務に集中し、創発的な仕事に注力するためのステップだと捉えてみよう。つい、手に馴染んだ作業へと戻りがちだが、本書を片手に“実験”を重ねた先には、自分らしい仕事と生活が待っているに違いない。

本書の要点

・高度な機密性を備えた情報が集まる経理部門で生成AIを扱う場合、「適切な『使いどころ』を見極めること」が大切となる。それは、会社の規模感などによっても異なる。
・生成AIの導入は、業務プロセスをDX化、標準化するシステム化とセットである。
・請求書処理などの日次業務、売掛金・買掛金管理などの月次業務、株主総会などの年次業務といった、さまざまなシーンでの活用が可能だ。



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