レビュー

もうAIのない生活は考えられない。一方で、自分の頭で考える時間は明らかに減り、「このまま退化していくのではないか」と怖くなる瞬間がある――。

そんな人に本書を読んでほしい。
本書の著者・樺沢紫苑氏は、「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンに掲げて活動する精神科医である。大ベストセラーとなった『学びを結果に変えるアウトプット大全』をはじめ、著書は56冊にのぼり、YouTubeでも厚い支持を集めている。
本書でまず印象に残ったのは、「知性」の定義である。知性とは、情報や知識を行動へ移し、現実を変える力であり、AI時代に磨くべきはまさにこの力であるという。そして、その力を磨く方法として「知る→考える→決断する→行動する→フィードバックする」の5ステップを挙げ、各ステップに1章を割いて丁寧に解説している。
本書が問いかけているのは、AIの使い方ではなく、「AI時代に人間は何を鍛えるべきか」という本質的なテーマである。このまま時代が進めば、人は考えることを手放してしまうかもしれない。だからこそ、自ら考え、判断し、現実を変えていく力を磨くことが、これまで以上に重要になるのだと実感した。
AIとうまく協働しながら、人間ならではの知性を磨くための具体的な方法を提案してくれる本書。「知る→考える→決断する→行動する→フィードバックする」のサイクルを回し続ければ、AI時代を生き抜くための知性が確実に磨かれていくはずだ。

本書の要点

・知性とは、情報や知識を行動に移し、現実を変える力である。

AI時代には、「知る→考える→決断する→行動する→フィードバックする」のサイクルを回し、知性を鍛えることが重要だ。
・AIは答えを出す道具ではなく、思考を深める壁打ち相手として使うべきだ。AIを使った壁打ちは、私たちの考える力を鍛えてくれる。
・決断できないなら、まず小さく行動し、行動しながら考えるといい。動いた分だけ視野が広がり、次の判断や決断が容易になる。



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