文 神尾光臣

 イタリアの民放TV局『メディアセット』は3月16日、「ユベントスが所属選手に対し、今週中にPCR検査を実施する」と報じた。

 ユーベはダニエレ・ルガーニに新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が発覚したため、全選手、スタッフを含め121名を自主隔離措置にしている。

イタリアスポーツ医師連盟(FSMI)の基準に沿えば、3月25日まで措置は続く予定だ。そしてその間に、クラブはさらなる感染者の有無を調べることを決めたようだ。

選手は検査を受ける基準に該当

 イタリア保険省は検査を受ける時の基準として

(1)風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合
(2) 強いだるさや息苦しさがある場合
(3)高齢者を始め、糖尿病や心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患)などの基礎疾患がある者や、透析を受けて免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている者で、風邪の症状や37.5度以上の発熱が2日程度続く場合

 という3パターンのみに限定している。ただし1つの集団で感染者が出た時には、その構成員を検査するかどうかは主治医の判断に任せられる。その場合は感染者と握手以上の身体接触があったかどうか、感染者の2m以内の距離に15分以上いたかどうかが判断基準となる。

 練習などでは当然フィジカルコンタクトが避けられないし、3月8日のインテル戦後はロッカールームでもみくちゃになって喜んでいたことから、ルガーニを通して感染が広がっていてもおかしくないと推測できる状況だ。

 「これを踏まえ、ユーベは検査に踏み切る意思を固めた」と『ガゼッタ・デッロ・ スポルト』は報じている。なお、『メディアセット』によれば「プライバシー保護の観点から、ユベントスは誰がいつ受けるかなどの情報は明らかにせず、新たな感染者が出た場合はクラブの公式発表のみで済ませる」という。

選手たちは自宅でトレーニング

 今現在、自主隔離措置を取っているのはユベントスの他に、チーム内に複数の感染者が出たサンプドリアとフィオレンティーナ、そして彼らと対戦したインテル、エラス・ベローナ、ウディネーゼ、そしてUEFAチャンピオンズリーグでバレンシアと対戦したアタランタだ。

 他のチームはそれぞれ今週に入ってから練習を再開する段取りとなっていたが、イタリアサッカー選手協会やセリエA各チームの医師団から「時期尚早だ」と反対の声があり、「3月30日まで練習しないように」との通達がレガ・セリエAからなされた。

 国が出した新型ウイルス感染対策法令では練習自体は禁止されていなかったが、大事を取ってEURO 2020の延期の検討(注:3月17日に1年間の延期が決定)や各国リーグ戦の再開後の措置についての議論が続く中、とりあえず選手たちは国民同様に外出制限をしつつ、再開に向けてコンディションを整えることになる。

 ジェノアのコンディショニングコーチであるアレッサンドロ・ピラーティ氏は『ラ・レプッブリカ』ジェノバ版のインタビューに応え、「現在は個々にメニューを与えてトレーニングを課している状態。練習再開が早くできれば一週間で“再適応”に向けてトレーニングができるが、長引けば難しくなる」と語った。

そして選手には筋力トレーニングの他、可能であればボールを使ったトレーニングも「メンタル面が持続できるように」推奨しているという。


Photo: Getty Images

編集部おすすめ