テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】


 これは、トラブルを2つのパートに分けて考える必要がある問題だと思いますが、明らかにフジテレビに一定の責任があると私は考えます。
 
 つまりこの問題は①佐藤二朗さんがアドリブの演技として橋本愛さんに触れてしまったこと。

と②佐藤二朗さんが橋本愛さんに対してその後にした発言。の2つが問題とされているわけですが、少なくとも①の部分については間違いなくフジテレビの説明不足や人権感覚の欠如がその原因のひとつであろうとしか考えられないと思います。


 詳細については諸々明らかになっていない部分もあるんだと思いますけど、少なくとも橋本愛さんサイドはフジテレビに、橋本さんが過去のハラスメントに起因するトラウマを持っていることと、撮影過程で配慮して欲しい旨を伝えていたのでしょうから、それをキチンと共演者に伝えていなかったのは、どう考えてもおかしい。


 佐藤さんも伝えられてないことに配慮はできませんもんね。そして、佐藤さんが行ったアドリブの演技も通常の範囲内で、もし橋本さんに特別の事情がなければ問題にはならなかっただろうという内容なのですから、それはやっぱり「なんで伝えなかったんだフジテレビ」としか言いようがありません。たとえそれが佐藤さんのマネジャーと協議した上での結論だったにしろ、撮影を管理する責任はフジテレビにあるわけですからね。


 そもそも各俳優さんやスタッフはそれぞれ、身体的なものや心理的なものなどいろいろな「配慮されないと危険な事情」を持っています。トラウマとか、病気とか、アレルギーとかね。配慮が必要なものについては、関係する人たちには伝えなきゃ配慮のしようがない。人命や人の健康に関わるわけですから、それがどう考えても最優先のはず。


 ドラマのクオリティーとか、演技や演出がどうのこうのとかは、そういう配慮に比べれば二の次三の次です。それが言えない空気にしてるところがすでに、フジテレビの責任ですよね。

これは大きいし、「番組制作のためなら個人的なことは我慢しろ」みたいなやり方をやってるわけですから、これはもうフジテレビ問題以前とそういう意味では変わらないです。


 ただ、②の部分については僕は、「俳優を続けるべきでない」的なことは他人がどうこう言うべき問題じゃないと思いますけど。個人の感想だとしてもですよ。ましてや先輩がそんなこと言ったら絶対ダメ。そういうこと言う人、日本の芸能人には多そうですけど、やめた方がいいと思います、他人の人生に口を出すのは。


(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)


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