「身を切る改革」の看板を取り下げるようだ。


 日本維新の会の東京支部である「東京維新の会」が7月13日以降、「『身を切る改革』運用見直しに関するアンケート」と題したGoogleフォームを所属議員に送信。

維新は「身を切る改革」と称し、議員の報酬の一定額を党本部が徴収し、被災地に寄付するといった措置を取っている。


 徴収する金額の割合は、国会議員なら歳費の2割と期末手当の3割。地方議員の場合は議員報酬1000万円以上が20%、同500万円超が10%、同500万円以下が5%──といった具合だ。アンケートでは、この徴収率について〈全国統一の最低ライン(年収500万円未満は最低3%、500万円以上は最低5%)を下回らない範囲で、各都道府県総支部が地域事情を踏まえて定めることとなりました〉と通知。この「新ルール」の適用は来年1月からで、事前に書面の提出が必要だとしている。


 徴収率を大幅に引き下げ、「身を切る改革」を後退させようというわけだ。さらにアンケートでは、〈党本部から示された考え方〉として〈身を切る改革が目的なのではなく行政改革を断行することが目的であること(中司宏幹事長)、手段が目的化している状態は望ましくなく、各総支部で数値を定めたうえで併せて何に取り組むのかという結論を出してほしいこと(藤田文武共同代表)、本来受け取っている報酬を削るという意識ではなく物価高に苦しむ世間の目線に合わせていこうという意識が重要であること(井上英孝選対委員長)、との説明がなされています」などと記されている。


 また、〈「身を切る改革」とは何か〉との項目では〈(行政)改革を指示する政治家が、ぬくぬくとした環境で自らの身分は守りながら、現場の職員に厳しい改革の実行を求めたり、補助金を頼りに生計を立ててきた事業者に自立を求めたりしても、到底理解は得られない〉などとも記載している。


■結局ただのパフォーマンス


 アンケートは計約1700字にわたって「身を切る改革」の在り方をツラツラと書き連ねた上で、所属議員に意見を求めている。


「要するに、東京維新の執行部は『身を切る改革』は行政改革という目的のための手段に過ぎないのだから取り下げても問題ない、と言い訳しているんですよ」と言うのは、東京維新の内情に詳しい政界関係者。看板政策取り下げの狙いは他にあるという。


「1年ほど前から、いわゆる“上納金“がキツ過ぎて離党していく地方議員が増加。

内部でも『これでは生活できない』との声が続出している状況です。だから、執行部は“身を切る改革を取り下げるから、党を離れないでね“と言っているわけです。実際、ある地方議員は議員報酬が額面で年約1000万円でしたが、身を切る改革の支払いが月約9万円、国民健康保険料が月13万円、議員党費は月1万円。普段の政治活動としてかかる交通費や交際費などは当然自腹だった。そこから住宅ローンや食費光熱費を賄うと同時に4年に一度の選挙費用を貯めなければならない。借金生活をせざるを得ず『身を切る改革さえなければ…』と嘆き、結局、党を離れました。一時、話題になったいわゆる『国保逃れ』の元凶でもありますね」


 ある東京維新関係者はこう吐き捨てる。


「もう国政では自民と連立を組み、与党として『賃上げ』を求める立場だ。時代にそぐわない『身を切る改革』など、サッサと取り下げたらいい」


 日刊ゲンダイは、アンケートについて東京維新に問い合わせたが、締め切りまでに回答はなかった。


 華々しく掲げた看板政策だが、離党者続出で取り下げとは、もともと、ただのパフォーマンスでしかなかったわけだ。


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