【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】


 このところ、中森明菜テレビのバラエティー番組などに出演して話題になっている。6月末には日本テレビ系「Golden SixTONES」に登場、7月にはテレビ朝日系「EIGHT-JAM」にVTR出演した。


 Goldenでは歌も披露したが、「歌声が不安定」だとか、「以前の歌唱力は……」といった批判的な意見もSNSを中心に取り沙汰されている。確かに昔とは違うし、そもそも歌番組でもないので、それほど厳しく言われる筋合いでもないのではと思う。


 なにせ、あの明菜も61歳。登場することに意義があるというものだ。実際、今月から東京、大阪、名古屋の3カ所7公演のライブツアーを始めている。もちろん、チケットは発売と同時に即完売で、テレビに出るのは世間一般に「活動をやってます」感を見せるサービスである。


 声量について批判的な意見が上がるのはわかるが、僕はこういう時にいつも思い出すエピソードがある。


 それは沢田研二(78)がコンサートの当日になって“客の入りがよくない”と公演をキャンセルして大問題になったことだ。ワイドショーなどでも取り上げられたが、その時、ジュリーの熱狂的なファンがこう言っていた。


〈私は年に何回もジュリーのコンサートに行くけど、本人がやりたくないと言えば納得している。だいたい、新規のファンなんかゼロなんだから〉


 古参ファンはすべて織り込み済み。ファン以外の外野が何を言おうと関係ないというのだ。

事実、ジュリーは毎年ツアーを行ってファンは入っている。布施明も78歳で、こちらは往年の声量が健在で、コンサートの半分も聞けば“お腹いっぱい”というくらいの迫力のツアーを続けている。当然、コンサート会場は常に満員という盛況ぶりだ。「新規」はいないかもしれないが、古くからのファンが集まる間はライブをやる価値は大いにあるわけだ。


 一方、大昔、世良公則とツイストが大人気になったが、その勢いが減速した時に会場付近にいたダフ屋と話したことがある。


「人気がある時はどんなに高額をふっかけてもファンが買ってくれたが、人気が落ち始めたことを一番敏感に察知するのは僕らですよ。次のコンサートは無理かなあ……」


 つまり、一過性ではない岩盤支持層がついている間は商売になるということで、明菜はすでにその域に達しているということだ。


(城下尊之/芸能ジャーナリスト)


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