【桧山珠美 あれもこれも言わせて】


 反町隆史主演の「GTO」(フジテレビ系)が28年ぶりに連続ドラマとして帰ってきた。


 元暴走族の教師・鬼塚英吉が型破りなスタイルで生徒や学校の問題に体当たりで向き合う、平成を代表する学園ドラマとして一世を風靡した。


 生徒役には小栗旬窪塚洋介池内博之らが出演。


 何より、ヒロインの同僚教師・冬月あずさを演じた松嶋菜々子と反町が、ドラマをきっかけに交際、結婚したことも、「GTO」を語るうえで欠かせないエピソードだ。


 そんな往年のファンへのサービスか、冒頭からキャビンアテンダント姿の松嶋が登場。「あっ、鬼塚と冬月は結婚したんだ」と思ったのも束の間、問題を起こしては学校を転々とする鬼塚に愛想を尽かした冬月が、離婚届を突きつけて実家へ帰るという意外な幕開けとなった。


 今回の舞台となるのは「私立誠進学園」。校長役は宇梶剛士。かつて宇梶が元暴走族のリーダーだったことを知る視聴者なら、思わずニヤリとする場面もあった。学園ドラマである以上、本来なら現役の中高生が夢中になる作品であってほしいが、初回を見る限り、その視線はむしろ28年前を知る大人たちへ向けられているようにも感じた。
というのも、生徒たちはタブレットばかりを見て人の顔を見ようとせず、不登校の級友にも無関心。そんな令和らしい学校像が描かれるが、それはどこか大人が思い描く「令和の学校」にも見えた。令和の生徒たちも、それなりに楽しい学園生活を送っているだろうに、あまりにも極端ではないか、と。もっとも、そんな生徒たちが鬼塚によって変わるというのが「GTO」の醍醐味でもある。

実際、初回でも鬼塚は型破りなやり方で不登校の生徒の心を動かした。今回も鬼塚流でクラスを変えていくのだろう。



■パワハラやコンプラに向き合った昭和のオヤジ

 そこで、思い出したのは、2024年放送の阿部サダヲ主演「不適切にもほどがある!」(TBS系)だ。阿部演じる昭和のおやじ・小川市郎が令和へタイムスリップし、パワハラやセクハラ、コンプライアンスでがんじがらめの時代と向き合い、自らも変わっていくドラマだった。


「ふてほど」が「昭和にも令和にも、それぞれの良さがある」と歩み寄りを描いたのに対し、「GTO」の鬼塚は一向に変わらない。変わるのは周囲であり、生徒たちだ。それもそのはず。脚本は「女王の教室」「家政婦のミタ」などで知られる遊川和彦。常識を打ち破る主人公が周囲を変えていく物語は、まさに遊川作品の真骨頂である。


「ふてほど」は昭和世代だけでなく、若い世代にも支持され、大きな共感を呼んだ。


 一方、「GTO」はどうか。平成を知る視聴者のノスタルジーで終わるのか。

それとも、型破りな教師・鬼塚は令和の若者の心にも響くのか。


 学園ドラマは、「こんな教師に出会いたかった」と思わせる理想を映し出すものだ。鬼塚がその理想であり続けられるのか、見届けたい。


(桧山珠美/コラムニスト)


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