【あの人は今こうしている】


 あらぽんさん(元「ANZEN漫才」/40歳)


 テレビではお笑い芸人が多く活躍しているが、入れ替わりも激しく、みやぞんとあらぽんさんのコンビ「ANZEN漫才」も荒波にもまれた一組。あらぽんさんは今どういう活動をしているのか。


  ◇  ◇  ◇


 あらぽんさんと会ったのは、JR五反田駅から徒歩5分の所属事務所。あらぽんさんの前には、大きなひょうたんが。


「これ、今年、渋谷のポップアップストア出店のときに作ったひょうたんオブジェです。僕は今、ひょうたんの特産地・神奈川県大井町の“ひょうたんアンバサダー”も務め、大井町で64株育て、収穫したひょうたんを使ったアート作品を作っているんです」


 あらぽんさん、まずはこう言った。「ANZEN漫才」は2年前に解散し、みやぞんは独立。あらぽんさんは事務所に残り、“ひょうたんアート”の個展やワークショップを開催しているという。


「小さいひょうたんにアクリル絵の具で色をつけ、キーリングやハンドストラップを作り、全国のデパートで開催したポップアップストアで販売したり、“TOKYO LOLLIPOP”というダルマ屋さんとコラボしてガチャガチャに入れてもらったり。1個? 3850円です」


 なかなかいい値段。もうかりそうじゃないか。


■生活はギリギリ。住宅ローンがあと31年もあるし…


「いや~ギリギリですよ。グッズより、都内の中学校の美術の時間に出張授業をしたり、温泉施設で工作体験のイベントをしたり、のほうが収入としては大きい。

妻も仕事をしてるんで助かってます。1人娘はまだ5歳だし、5年前に家を買いローンがあと31年あるし……」


 子育てにも奮闘中とか。


 それにしても、なぜ、ひょうたんなの?


「コンビ結成まもない頃、たまたま下北沢のひょうたん専門のグッズ屋さんで手に取ったのが出会い。形が面白く、ネットで調べたら、種は複数個で100円。じゃあ育ててみようって。もともと熱帯魚とか生きものを育てるのが好きだったんで」



■今では全日本愛瓢会理事「まさに“ひょうたんから駒”」

 手先が器用なあらぽんさんは、自己流で育てメディアで取り上げられるようになると、全国のベテラン栽培家とつながり、本格的に栽培やデザインの指導を受けた。今では全日本愛瓢会理事というから大出世だ。


「まさに“ひょうたんから駒”で、いろんな方との出会いに恵まれました。全日本愛瓢会の展示会では、名誉総裁の秋篠宮さまにお会いすることも。そんな経験なかなかできないと思うので、唯一無二の“ひょうたん芸人”になれたと思います」


 芸人としての活動も?


「YouTube『ザコシ・くっきーのシュシュっとごくろうさん』にたまに呼んでもらっています。やっぱりお笑いの仕事は楽しい。僕の今の個性はひょうたんネタだから、こうして活動しながらどこかで化学反応が起きて、またテレビの世界に戻りたいですね」


 しかし、「ANZEN漫才」時代は“じゃない方芸人”と呼ばれるつらさも経験。

最高月収680万円から、解散直後に200円へと急降下した。


「僕がピンでワークショップをやってもお客さんゼロとか。それを周りでヒソヒソ話しているのが聞こえるんです。不安で怖かったけど、解散後は個展など目標を次々立て、突き進んできた。落ち込む暇はなかったですね」


 京都の老舗&銘店の逸品を集めた「高台寺賑店」で、ひょうたんチャームを販売中だ。 (取材・文=中野裕子)


▽あらぽん 1985年10月13日、東京・足立区生まれ。本名:荒木祐。中学卒業直前、幼なじみのみやぞんに声をかけお笑い芸人を目指し、高校卒業後、ライブハウスなどで活動開始。2009年、正式にコンビ「ANZEN漫才」を結成し、出身地の足立区をネタにした歌ネタなどで人気獲得。24年解散。


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