【その他の写真:Department of Public Works and Highways FBページから】
この震災は、ダバオ市の渋滞解消の切り札として中国政府の無償資金協力により建設された「ブカナ橋」の構造的安全性にも暗い影を落とした。震度3程度の揺れにもかかわらず同橋で軽微な損傷が確認され、識者の間では過去の海外プロジェクトで繰り返された手抜き工事の再来を危惧する声が噴出している。
ブカナ橋は、全長約17.8キロメートルに及ぶ「ダバオ沿岸バイパス道路(Davao Coastal Road)」網の要衝として、中国路橋工程有限責任公司(CRBC)が施工を請け負った4車線の橋である。構造は6つの支間を持つエクストラドーズド橋――斜めに張ったケーブルで橋桁を支える形式で、通常の箱桁橋よりも長いスパンを可能にする設計だ。主橋梁部480メートルと前後アプローチ道路860メートルを合わせた総延長は1340メートルに達する。2020年12月の実施合意を経て2023年11月に建設が本格化し、突貫工事の末、2025年12月15日に供用が開始された。東西沿岸エリアを直結し、1日約3万5000台の交通量を見込む重要路線だが、完成から半年余りで地震の洗礼を受ける形となった。
中国製インフラへの不信感は杞憂ではない。過去には韓国企業施工のパラオの橋が突如崩落する惨事があり、2025年3月にはタイ・バンコクで中国建設会社が関与した建設中の政府ビルが地震で倒壊した。調査で基準外の劣悪な鉄筋使用が判明したが、中国側は責任を曖昧にしたままだ。今回、ダバオのブカナ橋で生じた損傷は、市民に「震源が近ければ支えきれたのか」という根源的な疑念を植え付けた。短期間で建設を強行する中国式工法と、フィリピン特有の厳しい気候や地質条件のミスマッチが重大な欠陥を覆い隠しているのではないかとの指摘も専門家から上がっている。
ブカナ橋は、かつてのドゥテルテ政権下で中国との友好の象徴として華々しく建設された。しかし、利用者が日常的に感じていた「路面の波打ち」や「平坦性の欠如」は施工精度の低さを物語る。日本企業施工のインフラと比較すれば、あまりに粗雑な仕上げはコスト削減を優先する中国企業の体質そのものと言わざるを得ない。フィリピン公共事業道路省は現在、徹底した構造健全性評価を進めているが、住民は当局の「安全宣言」を鵜呑みにはできない。外交的な手土産として建設された橋が、数年後に地域住民を脅かす「負の遺産」と化すリスクが現実味を帯びている。
フィリピン政府は、中国側に謝罪を求めるだけでは不十分だ。必要なのは第三者機関による独立した安全性調査である。もし設計値未達や粗悪建材の使用が判明すれば、それは中国の無償資金協力という名の「債務の罠」を超え、住民の命を軽視する暴挙にほかならない。今回の地震は、インフラ建設において何を優先すべきかという厳しい問いを突きつけた。安易な外交的成果を追うのではなく、市民の命を守るための厳格な品質管理こそが今すぐ求められている。
【編集:Eula】








![[音声DL版]TRY! 日本語能力試験 N3 改訂版](https://m.media-amazon.com/images/I/41mXWATUVjL._SL500_.jpg)
![【Amazon.co.jp限定】ダリオ・アルジェント PANICO (ビジュアルシート2枚セット付) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/41fRCrYhFTL._SL500_.jpg)

![BELIEVE 日本バスケを諦めなかった男たち 豪華版 [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Daz1hpRML._SL500_.jpg)