韓国の労働市場において、20代を中心とする青年層の雇用情勢がかつてない深刻な危機を迎えている。国家統計ポータルの最新データによれば、2026年5月の20代就業者数は329万人にとどまり、前年同月比で25万1000人減少した。
就業率は59.4%、失業率は7.1%に達し、労働市場から完全に離脱する若者の動きが加速している。1990年代末のアジア通貨危機(IMF管理体制)下で青年層が激しい失業に晒されたが、現在の状況は当時以来の「最悪局面」である。しかも当時が金融システム破綻に起因する一時的危機だったのに対し、現在は産業構造転換に起因する「構造的不況」であり、事態はより深刻だ。

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 統計を精査すると、同じ20代でも「前半」と「後半」で絶望の形が異なる。まず20~24歳層は就業者数が92万7000人にまで落ち込み、前年比15万3000人減少した。就業率は41.6%と、新型コロナ禍直撃の2020年5月以来の低水準である。この層は求職活動自体を諦め、市場から退く傾向が強まっている。韓国統計庁の区分で「休んでいる」と回答した非経済活動人口は青年層だけで40万人を超えた。少子化で若者人口が減少しているにもかかわらず、雇用消失の速度が人口減少を遥かに上回り、門前払いの現実が意欲を奪っている。

 一方25~29歳層は就業者数が236万3000人で9万8000人減少、失業者は18万1000人に増加した。大学卒業後も求職を続けるため統計上「失業者」とされるが、努力が就職に結びつかない。中央日報によれば、求職者1人当たりの働き口は0.42件にまで落ち込み、通貨危機直後以来の最低水準を記録した。
失業手当は9カ月連続で月1兆ウォン超となり、過去最長を更新。長期失業者は前年比51%急増し、就職しても平均勤続期間は1年6カ月に満たない。短い経歴しか残せない若者は再就職が困難となり、最終的に市場から排除される。

 この未曾有の雇用寒波の背景には「経験不足」「産業不振」「AI代替」という三重苦がある。第1に採用慣行の激変だ。かつて大企業は数万人規模の新卒を一括採用して育成したが、現在は随時採用が主流となり、経歴職を最優先する。結果として「経験がないから就職できない」「就職できないから経験を積めない」という罠に陥る。第2に製造業や建設業など従来の雇用吸収源が不振に喘ぐ。中東戦争の長期化による消費心理悪化、原油高騰、高金利環境が内需を圧迫。半導体など先端輸出産業は売上を上げても自動化が進み、雇用を生まない「装置産業」と化している。第3にAIの急速拡散だ。生成AIや業務自動化により、新入社員やインターンが担っていた基礎的業務が瞬時に代替され、人文社会系大卒者の初級職が激減した。
これらが複合的に作用し、若者雇用率は24カ月連続で下落、体感失業率は過去4年で最悪水準に達した。

 政府は2026年4月に「青年ニューディール推進案」を発表し、長期失業者や離職者への支援を拡充した。「青年雇用オールケアプラットフォーム」や「初めての一歩保障制度」を立ち上げ、求職促進手当増額や中小企業への税制優遇、インターン機会提供を進めている。しかし政策は労働市場のマッチング支援にとどまり、根本的解決には至らない。大企業と中小企業の間に存在する賃金・待遇格差という「二重構造」が若者を阻むからだ。待遇が低くステップアップ困難な中小企業に妥協するより、親と同居し「休む」か、大企業の狭き門を目指して浪人を続ける方が合理的と判断されてしまう。

 韓国主要メディアが「通貨危機以来の最悪局面」と警告する通り、この雇用寒波は一過性の不況ではなく、人口減少、産業構造のデジタルシフト、企業の採用方針がもたらした構造的崩壊である。AI時代に対応した新産業育成と良質な雇用創出、さらに新人を拒絶する採用慣行の見直しが伴わなければ、若者の労働市場離脱は止められない。大転換期における雇用創出への対応は、一刻の猶予も許されない時間との闘いとなっている。
【編集:af】
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