フィリピン国家警察(PNP)は2026年7月2日、オンライン上の児童性的搾取・虐待(OSAEC)対策を強化するため、ノルウェー警察と新たな協力協定(MOU)を締結したと発表した。フィリピン通信社(PNA)によると、ケソン市で署名式が行われ、両当局は越境的なサイバー犯罪の撲滅に向けて連携を深めることで合意した。


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 この協定により、両国はオンラインでの児童虐待に関する情報交換をより迅速かつ円滑に行えるようになる。ノルウェー警察のラース・エリック・アルフハイム副委員長は「犯罪に国境はない。発生地で加害者を特定し阻止することで、より多くの子どもたちを被害から守りたい」と述べた。PNPのホセ・メレンシオ・ナルタテス長官も、サイバーパトロールの監視体制を強化し、子どもたちを守る姿勢を強調した。

 フィリピンにおけるOSAECの状況は深刻だ。国連児童基金(UNICEF)の2022年調査によれば、国内でインターネットを利用する12歳から17歳の子どものうち約200万人がオンラインでの性的搾取や虐待を経験していることが明らかになった。被害者の約23~38パーセントは事件を誰にも報告しておらず、潜在的な被害はさらに大きいとみられる。

 背景には、貧困家庭が容易な収入を求めて搾取の対象となるケースや、SNSを通じた加害者の勧誘が巧妙化している実態がある。また、UNICEFのデータは被害の報告率が極めて低く、被害を相談できない「沈黙のパンデミック」とも言える現状を浮き彫りにしている。

 フィリピン政府は2022年に「反オンライン児童性的搾取・虐待法(共和国法第11930号)」を施行し、対策を強化してきた。今回のノルウェーとの連携は、こうした国内法整備に国際的な捜査網を組み合わせることで、根深いサイバー犯罪に歯止めをかける狙いがある。フィリピン当局は今後、ノルウェーなど海外当局との協力を拡大し、子どもたちの安全確保に向けた網をさらに広げる方針だ。

【編集:Eula】
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