お盆や年末年始の帰省ラッシュ。指定席は早々に売り切れ、乗り遅れれば数時間立ちっぱなし——毎年おなじみの光景です。

新幹線の帰省ラッシュは“地獄”。泣き出す子供、指定席なのに「...の画像はこちら >>
JR東海が発表した「2026年度 お盆期間の指定席予約状況」によると、今年のお盆(8月7日~16日)に用意された東海道新幹線の座席は479万席。予約のピークは下りが8月8日(土)、上りが8月16日(日)と見込まれています。

今回ご紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ実録エピソードから、きちんと指定席を取っていたのに、車内でとんでもない目に遭ってしまった人たちの話。ビールと駅弁を用意して「さぁ飲むぞ」とくつろぐ直前、見知らぬ母親から思わぬ「お願い」をされてしまいます。

記事後半では、混み合う新幹線に用意されている“ある車両”についてもご紹介します。

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混雑する新幹線の車内で…


新幹線の帰省ラッシュは“地獄”。泣き出す子供、指定席なのに「譲っていただけませんか?」に困惑/実は「お子さま連れ車両」が90本走っている
※画像は生成AIによるイメージです
 実家に帰省中に「ちょっとびっくりしちゃったことがあって」と話してくれたのは倉田裕香さん(39歳・仮名)。

「旦那と息子は男だけで旅行に行き、今年の正月は私ひとりで実家に帰省することになったのです。 新幹線は指定席を買っておかないと座れないので、当たり前に買っておきました。ビールと豪華な駅弁を用意して、『さぁ飲むぞ!』とウキウキしていました」

 まわりには、指定席が取れずに立っている人がチラホラ。その中で、まだ小学生にもならない男の子が「座りたいぃぃ!」と号泣したようだ。

「小さい子だから座りたいよね、可哀想に……とは思いましたが、『なんで親は先に指定席を買わなかったんだろう』って不思議でした。ぎりぎりに決まったとか、事情があるのかもしれませんが。結構なボリュームで泣き続けていました」

まさかの「席を譲っていただけませんか?」


 親がなだめてはいるものの、一向に収まる気配はない。倉田さんは気の毒に思いつつもビールを口にもっていった。
すると母親がいきなり話しかけてきたのだ。

「びっくりしました。『すみません、すごくこの子が泣いているんで……席を譲っていただけませんか?』って。え、私が? って。

 だって、山手線とかの普通の優先席ならまだしも、ここは新幹線の有料の指定席ですよ? 確かに可哀想だけど、譲らなきゃいけない理由はないじゃないですか」

新幹線の帰省ラッシュは“地獄”。泣き出す子供、指定席なのに「譲っていただけませんか?」に困惑/実は「お子さま連れ車両」が90本走っている
※画像は生成AIによるイメージです
 倉田さんが困惑していると、母親は「たぶん着くまで泣いてしまうので……お願いします!」と頭を下げてきたのだ。

「今からビールと駅弁食べて、ひと眠りしようと思っていたのに、どうしよう。本当に困ってしまって黙っていたら、横のおじさんが助けてくれたんです。

『お母さん、それはおかしいでしょう?』って。おじさんは『デッキであやすとか、お菓子を食べさせるとか、そうするしかないじゃない。この人(倉田さん)は先に指定席を取っている、子どもが泣いているからって関係ないでしょう』と」

新幹線の帰省ラッシュは“地獄”。泣き出す子供、指定席なのに「譲っていただけませんか?」に困惑/実は「お子さま連れ車両」が90本走っている
※画像は生成AIによるイメージです


新幹線の帰省ラッシュは“地獄”。泣き出す子供、指定席なのに「譲っていただけませんか?」に困惑/実は「お子さま連れ車両」が90本走っている
※画像は生成AIによるイメージです
 すると、その母親は顔を真っ赤にして、子どもを連れて逃げるようにデッキに向かって行ったそうだ。

「私も子どもがいるので気持ちがわからないわけではないけど、譲りたくはなかったのでハッキリ言ってくれたおじさんに感謝です」

急におばあちゃんが泣き出して…


新幹線の帰省ラッシュは“地獄”。泣き出す子供、指定席なのに「譲っていただけませんか?」に困惑/実は「お子さま連れ車両」が90本走っている
※画像は生成AIによるイメージです
 小宮山美乃さん(34歳・仮名)も、子連れの帰省で思わぬハプニングに見舞われた一人だ。

「私は主人が年末ギリギリまで仕事だったんで、ワンオペで子ども3人を連れて新幹線で帰省しました。

 窓際の席には小学生の2人を座らせ、通路側の席に3歳の娘を抱っこして座っていました。
小学生2人は持参したiPadに夢中で、娘も寝てくれてほっと一息ついていたところでした」

 通路を挟んで隣の席のお婆さんが「かわいいね」と声をかけてきたという。

「子どもに話しかけてくれるおばあちゃんって多いじゃないですか。それで『手がかかって大変ですよ』と答えたら、いきなりおばあちゃんが泣き出したんです。

 なんでも、おばあちゃんの息子夫婦に子どもができず、不妊治療をしていたけど、結局うまくいかなかったみたいで。 『孫の顔が見たい』と言いすぎて、お嫁さんに嫌われてしまったと。

新幹線の帰省ラッシュは“地獄”。泣き出す子供、指定席なのに「譲っていただけませんか?」に困惑/実は「お子さま連れ車両」が90本走っている
※画像は生成AIによるイメージです
 おばあちゃんはおばあちゃんで、ご近所の友達から『孫はかわいいよ』と毎日言われてツラかったそうで」

 約1時間にわたって「うちには1人もできなかったけど、3人もいいわね」と泣きながら話し続けたようだ。

実家に到着する前にHPゼロに


「初対面で話すには少しヘビーすぎましたが、私も姑に『また男の子?』『女の子が欲しい』としつこく言われていて、すごく嫌だった経験があったので、内容は違えど、孫に関する催促はだめだよねぇと思いました。ただ、もう何年も息子にも会えていないようで、そこは気の毒でしたね」

 結局、話を中断できず、目的地まで話を聞き続けた小宮山さん。新幹線を降りたときは「どっと疲れが出た」と苦笑い。

「こんなことは滅多にないけど、やっぱり子連れには車移動がいいですね。実家に着く前にHPがゼロになりました」
<取材・文/吉沢さりぃ>

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■お盆の新幹線、どれくらい混んでいる?

新幹線の帰省ラッシュは“地獄”。泣き出す子供、指定席なのに「譲っていただけませんか?」に困惑/実は「お子さま連れ車両」が90本走っている
※画像は生成AIによるイメージです
JR東海の「2025年度 お盆期間のご利用状況」によると、昨年のお盆(8月8日~17日の10日間)に東海道新幹線を利用した人は409万1,000人。1日平均で約41万人です。もっとも多かったのは、下りが8月9日(土)で29万1,000人、上りが8月17日(日)で28万2,000人でした。

今年のお盆は8月7日から16日の10日間。
JR東海は8月10日から15日にかけて、臨時の「のぞみ」を16本追加運転しています。

■そもそも、お盆の「のぞみ」に自由席はない

ちなみに、お盆や年末年始などのピーク期間、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」は全席指定席で運行されます。今年は8月7日から16日が対象。この期間、「のぞみ」に自由席の設定はありません。自由席特急券で乗る場合は、普通車のデッキ等を利用する形に限られます。

なお「ひかり」と「こだま」には、期間中も通常どおり自由席があります。

■子ども連れ専用の車両があるのを知っていますか?

そしてもうひとつ。JR東海は今年のお盆、東京~新大阪間を走る「のぞみ」計90本の12号車を「お子さま連れ車両」として設定しています。おむつ替えのできるトイレや多目的室に近いことから、12号車が選ばれているそうです。発売は乗車日の1か月前の10時から。子ども連れではない乗客が乗ることもあるとのことですが、泣き声を気にしすぎずに済む車両が、少しずつ増えているのは確かなようです。

新横浜、静岡、名古屋、新大阪など一部の駅には、完全個室のベビーケアルーム「mamaro」も設置されています。

ビールと駅弁。
iPadに夢中の子どもたち。同じ車内にいても、みんな事情はそれぞれです。

新幹線の帰省ラッシュは“地獄”。泣き出す子供、指定席なのに「譲っていただけませんか?」に困惑/実は「お子さま連れ車両」が90本走っている
※画像は生成AIによるイメージです
<再構成/日刊SPA!編集部>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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