米イラン間の緊張が再び高まったことで、世界の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡でタンカーの航行が事実上停止状態に陥っている。米国によるイランへの空爆再開と、それに対するイラン側の報復措置が湾岸地域の海運リスクを急速に高め、エネルギー供給網に深刻な影響を及ぼし始めている。


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 ロイターは2026年7月9日、米イラン衝突再燃によりホルムズ海峡のタンカー航行がほぼ停止したと報じた。関係者によれば、米軍によるイラン南部沿岸への空爆を受け、イラン軍が近隣諸国の米軍施設を攻撃したことが引き金となった。調査会社ケプラーの分析では、9日朝の時点で海峡を通過したタンカーはわずか2隻にとどまり、過去2週間の平均40隻、交戦前の125~140隻という水準を大幅に下回る異常事態となっている。

 米経済通信社ブルームバーグは船舶追跡データを分析し、「米国による2日連続のイラン空爆を受け、ホルムズ海峡の交通はほぼ停止状態に陥った」と指摘。さらに「観測可能な船舶の動きはイランが承認した北側ルートに限定され、米国が支援するオマーン側の航路はほぼ無活動」と報じ、海域が事実上分断されている現状を浮き彫りにした。ケプラーの情報によれば、7月8日に海峡を横断した貨物船は14隻にとどまり、6月中旬の暫定和平合意以降で最低水準に落ち込んだ。原油価格は上昇しているが、市場の先行き不安は依然として強い。

 英ロイズ・リストのデータを引用した米CBSニュースなど欧米メディアも「米イラン武力衝突再燃を受け、米国が調整するオマーン沖航路の船舶動きは事実上停止している」と伝えた。トランプ米大統領による停戦終了の示唆以降、交通量が激減した経緯や、合同海事情報センターが脅威レベルを「深刻」に引き上げた事実を挙げ、国際的な警戒が必要な局面にあると警告している。

 トルコ国営アナドル通信は地政学的リスクに加え、技術的異常にも焦点を当てた。同通信は「世界で最も重要なエネルギーのチョークポイントへの信頼が再び揺らいでいる」と報じ、オマーン湾で発生しているナビゲーションシステムへの電波妨害について言及。一部船舶が追跡システム上で時速30ノット以上の異常速度で表示される現象を報告し、防空システムが船舶の自動識別装置(AIS)信号に干渉している可能性を示唆した。


 国連ニュースは人道的被害と経済的混乱を訴え、「米イラン敵対行為再開により海運はほぼ停止状態となり、数百隻の船に約6000人の船員が取り残されている」と報じた。国際海事機関のドミンゲス事務局長は「安全条件が整うまで海峡通過を避けるべき」と勧告し、船員やタンカーの安全確保が喫緊の課題であると強調した。

 過去2週間、通航量は一時的に回復の兆しを見せていたが、今回の衝突再燃は「6月の停戦合意」が完全に崩壊したことを意味する。海運関係者によれば、位置情報を隠すためAISを切って航行する船舶が増え、通過船舶の全容把握は極めて困難。7日に攻撃を受けたカタールの液化天然ガス(LNG)タンカーは依然としてオマーン沖で立ち往生しており、保険会社は海運各社に航行停止を呼びかけている。米イラン双方が互いの介入を強く非難し、さらなる介入があれば「壊滅的反撃」を辞さないと警告する中、ホルムズ海峡は世界経済の動脈として機能不全の危機に直面している。各国メディアが報じる通り、事態は小康状態にはなく、今後の軍事行動次第では燃料供給停滞や原油価格乱高下は避けられない見通しだ。
【編集:af】
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