タイ主要紙「バンコクポスト(Bangkok Post)」や公共放送「タイPBSワールド(Thai PBS World)」、地方紙「チャンライタイムズ(Chiang Rai Times)」は、中国企業が関与するミャンマー鉱山開発によるタイ北部河川汚染問題を相次いで報じ、外交的対応を求める動きが広がっていると伝えている。

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 バンコクポスト(Bangkok Post, 2026年7月16日付)は、野党人民党(PP)が政府に対し北部河川汚染への主導的対応を求めたと報じた。
党首ナッタポン・ルアンパニャウット氏らは中国大使館を訪問し、汚染がミャンマーの鉱山に起因する可能性を示す水質・堆積物調査結果を提出。中国側は「証拠が確認されれば環境法に基づき対応する」と述べ、タイが外交的に主導すれば支援する意向を示したという。

 同紙(Bangkok Post, 2026年7月7日付)は、チェンマイやチェンライの住民団体が中国総領事館前で抗議した様子を伝えた。鉱山から流出する鉛・水銀・ヒ素が農地11万ライ以上を汚染し、漁業や農業に深刻な被害を与えていると訴えた。漁村60か所で生計が失われ、保健省は魚介類の摂取を控えるよう警告。住民は中国政府に対し、鉱物のトレーサビリティ導入や多国間調査団の設置を求めた。

 タイPBSワールド(Thai PBS World, 2026年7月5日付)は、チェンマイ・チェンライの市民団体が集会を開き、中国資金によるミャンマー鉱山がメコン川支流を汚染していると抗議したと報じた。漁業者60村が生計を失い、観光業も打撃を受けたと伝えた。団体は中国政府に対し、鉱山の規制・検査、輸入鉱物の追跡、ランサン・メコン協力枠組み(LMC)を通じた修復計画を要請した。

 チャンライタイムズ(Chiang Rai Times, 2026年5月17日付)は、メコン支流で魚に赤い病変や奇形が発生し、検査で鉛・カドミウム・ヒ素など高濃度の重金属が検出されたと報じた。背景にはミャンマー・カチン州やシャン州での無規制レアアース採掘があり、アンモニウム塩を用いた化学浸出法による汚染がタイ側に流入していると指摘した。

 これらの報道を総合すると、汚染問題は健康被害、経済的損失、外交的課題、構造的問題の四重の危機として浮上している。
ヒ素や水銀などは発がん性や神経障害を引き起こす可能性があり、住民の生活水準に直結する。漁業・農業・観光業が打撃を受け、数万人規模で収入源を失う事態となっている。タイ政府は中国・ミャンマーとの合同調査や国際的枠組みでの対応を模索しており、中国側も「科学的証拠に基づく解決」を強調している。だが、ミャンマー国内の鉱山は少数民族武装組織の支配下にあり、規制が及ばず、西側諸国が代替供給網を構築するのは困難とされる。

 タイ主要メディアは一斉に「中国企業が関与するミャンマー鉱山がタイ北部河川を汚染し、外交問題に発展している」と報じている。市民団体の抗議、野党の外交的働きかけ、政府の国際協力模索が並行して進む中、汚染問題は環境・健康・経済の三重の危機として国際的注目を集めつつある。
【編集:af】
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