2026年7月、兵器ドローンの進化が新たな段階に入っている。従来はプロペラ式の安価な無人機が戦場で大量投入されてきたが、近年はジェットエンジンを搭載した高速型が各国で開発され、実戦に投入され始めた。
速度と突破力を重視する「ジェット化」は、戦争の様相を大きく変える可能性がある。

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 インドネシアの有力紙Kompasは、ロシア軍がイラン製シャヘドを改良し、ジェット推進型をウクライナ戦線に投入していると報じた。従来型は時速200キロ以下で「空飛ぶ原付バイク」と揶揄されるほど音が大きく、地上からの機関銃や対空砲で撃墜が比較的容易だった。しかしジェット化によって速度は400キロを超え、防空網突破の危険性が高まっている。Kompasは「従来の迎撃手段では対応が難しくなっている」と伝えた。

 これに対抗するため、ウクライナ軍は米国企業が開発した迎撃専用ドローン「メロプス」を配備している。米紙Wall Street Journalによれば、メロプスは全長約1メートルでピックアップトラックの荷台から発射可能。時速280キロ以上で飛行し、人工知能を活用して敵機を自動追尾し、空中で衝突して破壊する。価格は1機あたり約15000ドルとされ、高価な地対空ミサイルを消費せずに防衛できる費用対効果の高さが注目されている。失敗した場合はパラシュートで帰還し再利用も可能だ。

 価格構造の変化は戦術にも影響を及ぼす。英BBCは「安価な群れ攻撃から高性能少数精鋭への移行が始まっている」と分析する。
ロシアは安価なシャヘドを大量投入して防空網を疲弊させる戦術を展開してきたが、ジェット化によって単機の突破力を高める方向へと戦略を修正している。ウクライナ側はAI迎撃ドローンを量産し、電子戦技術を駆使して防衛力を強化している。

 耐久性の面でも変化が見られる。従来の自爆型は使い捨てが前提だったが、新型迎撃ドローンは再利用可能な設計が増えている。米国の防衛専門誌Defense Newsは「費用対効果を高めるため、再利用性が重視されている」と指摘する。ただしジェット化によって燃料消費は増加し、長時間滞空には不利となる。設計思想は「短時間で突破・命中」に重点が置かれている。

 生産国の動向も注目される。ロシアはジェット推進型「ゲラン3~5」を投入し、専用発射基地の建設を進めている。ウクライナは高速迎撃ドローン「スティング2」や「P1-Sun Long」を開発し、1日2000機以上の生産体制を整備。米国はAnduril社の「YFQ-44A Fury」を無人戦闘機として認定し、有人戦闘機に匹敵する機動を実証した。中国もジェット推進型無人機を保有し、輸出市場への展開を視野に入れている。
中東やアジア諸国でも導入が進めば、地域紛争の脅威は一層高まるだろう。

 専門家はこの動きを第一次世界大戦初期の航空機の進化に例える。米シンクタンクCSISの研究者は「偵察機が爆撃機へ、さらに戦闘機へと進化した歴史が、現在ドローンの世界で再現されている」と語る。攻撃側がジェット化で突破力を高めれば、防御側はAI迎撃で対抗する。無人機同士が空中戦を繰り広げる現実は、戦争の構造を根本から変えつつある。

 経済学者は「ジェット化による価格上昇は、従来の『安価で大量投入』戦術を制約する。今後はコストと性能のバランスが各国の戦略を左右する」と指摘する。安価な消耗品から高性能兵器への移行は、軍事費の使い方にも大きな影響を与えるだろう。

 兵器ドローンのジェット化は、速度と突破力を追求する流れとして確実に拡大する。しかし防御側もAIや電子戦、再利用技術で対抗し、単なる速度競争ではなく複合的な技術競争へと発展する。無人機同士の空中戦が常態化すれば、戦争の構造は有人機時代の再現となるが、その進化はより速く、より安価に、より広範囲に拡散する危険を伴う。世界の安全保障は新たな段階に突入しており、その動向を注視する必要がある。

【編集:af】
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