今、台湾のネット上とメディアを揺るがしている前代未聞の爆笑珍事件がある。事の発端は、訪日台湾人観光客が「中国人と誤解されたくない」「台湾の存在感を示したい」とバッグに付けた「私は台湾人です」「Taiwan NO.1」などの主張系バッジだ。


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 「中国人じゃない」とアピールするためのバッジが、あろうことか原材料から印刷まで完全な「中国製」だったというオチが発覚したのだ。この皮肉すぎる現実をめぐり、台湾メディアは大騒ぎとなっている。

 台湾メディア3社が報じた「愛国ビジネス」の凄絶なメッキ剥がれ
この大惨事を一蹴したのは、登録者数100万人を超える台湾の大物インフルエンサー・Cheap氏の告発だ。台湾の大手紙『自由時報』は「『私は台湾人です』胸章、まさかの全工程が中国製。ネット民愕然」と報道。記事では、原材料から型押しまで中国依存の製造過程を伝えた。

 続いて『三立新聞網』は、Cheap氏の辛辣な一撃をフィーチャー。
「口では『台湾NO.1』と叫びながら、利益のために迷わず中国製を選ぶ。結局『愛台湾』なんて発財(金儲け)のスローガンに過ぎなかったのか!」
メーカーの二枚舌を鋭くえぐる見出しで一刀両断した。

 さらに『民視新聞網』は、ネット上のシニカルな反応を詳報。「浙江省・義烏の製造業者は『台湾独立バッジだろうが金を払えば何でも印刷する』と笑っている」「中国人が命がけで台湾支持バッジを作ってくれて胸熱」といった、グローバルサプライチェーンのブラックジョークとも言えるネット民の嘲笑を紹介している。

 単なる「爆笑ニュース」で済ませては甘い。
このバッジ騒動には、現代の政治・経済・心理が複雑に絡み合った3つの文春級スクープ視点が存在する。

 【構造的矛盾】脱中国を叫びながら「中国の安さ」に依存する皮肉
反中姿勢やアイデンティティの主張を商品化しながら、原価を極限まで下げるために「敵国」の製造ラインへ丸投げする。メーカーの自立心なき“ビジネス愛国心”が剥き出しになった格好だ。「政治的立場」と「経済的合理性」のねじれが、缶バッジという小さな金属片に見事なまでに濃縮されている。

 【商魂の勝利】資本主義の前に政治タブーなどない「義烏」のしたたかさ
「中国政府からお咎めはないのか?」という懸念をよそに、中国の巨大卸売都市・義烏(イウ)の事業者は「金になれば何でも作る」精神を証明した。政治的メッセージすらただの「プラスチックと金属の塊」に変換して売りつける中国サプライチェーンのたくましさは、ある種のホラーであり喜劇である。

 【日本人の本音】「私は台湾人です」バッジを見た日本人の困惑
Cheap氏は「日本でこれを身に着けるのは本当に気まずい。『私を特別扱いしてください』という意図が透けて見える」と猛烈に批判した。
実際、街中で「Taiwan NO.1」と書かれた胸章をつけた外国人を見かけた日本人はどう思うか。「なぜ自国が一番だとアピールしているのか?」と首をかしげるのが関の山だろう。アピールが空回りし、「自意識過剰な痛い観光客」に見られかねないリスクをCheap氏はズバリ突いたのだ。

 アイデンティティは「中国製のバッジ」で買うものではない。
旅先で敬意を払われるのは、胸元のスローガンではなく、個人の誠実なマナーと振る舞いなのだから。
【編集:af】
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