ベトナム南部の巨大都市ホーチミンが、2026年版「世界のストリートフード都市ランキング」で世界1位に輝いた。アジアの食都争いが激化する中、ホーチミンが放ったこの一撃は、世界の食文化地図を塗り替えるほどの衝撃を与えている。


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 夜明け前のホーチミン。まだ薄暗い街に、屋台の鉄板が焼ける音が響く。バインミーのパンが焼き上がる香ばしい匂いが路地に広がり、フォーの湯気が朝の空気をゆっくり押し上げる。バイクのエンジン音、屋台の呼び込み、客の笑い声。街全体が「食べること」を中心に動き出す瞬間だ。これこそが、世界の食通たちを魅了したホーチミンの“本気の朝”である。

 ベトナム通信社は「ホーチミンの屋台文化は、単なる食事ではなく、都市の鼓動そのものだ」と伝える。サイゴン・タイムズも「この街の屋台は、観光客の胃袋だけでなく、心まで掴む」と評し、世界1位の理由を“街の熱量”に求めている。

 昼になると、ホーチミンの屋台はさらに勢いを増す。炎が立ち上る鍋、香辛料の刺激的な香り、汗を流しながら鍋を振るう若い料理人たち。彼らは伝統のレシピを守りながらも、現代的なアレンジを加え、世界の食トレンドを敏感に取り入れている。屋台でありながら、料理の完成度は一流レストランに匹敵する。
値段は手頃だが、味は世界級。このギャップこそが、ホーチミンの屋台文化の最大の武器だ。

 ホーチミン市観光局は、屋台文化を「都市ブランドの中核」と位置づけ、衛生管理の強化や屋台の配置整理を進めている。観光客が安心して食べ歩きを楽しめる環境づくりが進み、街全体が“食のテーマパーク”のような姿へと変貌しつつある。市政府はさらに、国際的な食イベントを積極的に開催し、ホーチミンの食文化を世界へ発信する取り組みを加速させている。

 夕暮れ時、ホーチミンの街は再び表情を変える。赤く染まる空の下、屋台の灯りが一斉に点り、通りはまるで映画のワンシーンのような幻想的な雰囲気に包まれる。バインミーを片手に歩く観光客、フォーをすすりながら談笑する地元の家族、揚げ春巻きを頬張る若者たち。誰もがこの街の食文化に身を委ね、日常の中にある“ごちそう”を楽しんでいる。

 ベトナム政府は近年、食文化を国家ブランドとして確立する戦略を進めている。ホーチミンはその中心都市として、世界の美食都市と肩を並べる存在へと成長しつつある。屋台文化を守りながらも、国際的な美食都市としての地位を築くための挑戦は続く。
食の多様性、街の熱気、人々の笑顔。そのすべてが、ホーチミンを世界1位へと押し上げた。

 サイゴン・タイムズは「ホーチミンの屋台は、料理ではなく物語だ」と報じる。屋台の背後には、家族で受け継がれてきたレシピ、地域ごとの味の違い、そして料理人たちの人生がある。食べ歩きをするだけで、街の歴史と文化を体験できる。これこそが、世界のランキングで1位を獲得した最大の理由だ。

 夜が更けても、ホーチミンの屋台は眠らない。深夜の路地で、フォーの湯気が静かに立ち上り、バインミーの香りが漂う。街の鼓動は止まらず、食の物語は続いていく。世界の食文化がどこへ向かうのか。その未来を語る上で、ホーチミンは欠かせない存在となった。

 今回のランキング1位は、単なる評価ではなく、ホーチミンが世界へ放った“宣言”だ。
アジアの食都争いは新たな局面を迎え、ベトナムはその中心に立った。
【翻訳/編集:af】
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