北朝鮮・平壌には、地下鉄が通っている。プラットホームまで近いところで90~100メートル、人が入れるところで最も深い場所で150~200メートル地下だ。
世界中で最も深い地下鉄の一つと称されるのもわからなくはない。

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地下には太陽の光やエアコンの室外機、車の排気ガスなど気温を上昇させる要因はほぼない。北朝鮮だからか冷房設備はない。けれど、それを差し引いても地上に比べて気温が低い計算になる。

人民たちは始発に近いくらいの時間帯に地下の地下鉄駅に入り、夕方日が沈むまで静まっている。駅のベンチがいっぱいな時は、地下鉄に無賃乗車で乗り込んで一日中揺られている。

ただ、時々、軍人が来て取り締まりもあるので、逃げやすい場所を定位置にすることに頭は働いている。

これが、高齢者を含む低所得の平壌市民の涼の取り方だ。なかなかエスプリが効いている。

もう少し裕福な市民は、冷風機完備な商業施設のイートインコーナーなどで時間をつぶす。おそらくデパートにもエアコンがないのはびっくりだが、あくまでも商業施設なので、ドリンク一杯で粘られないような対策も取られていて、いたちごっこのような涼みどころである。

北朝鮮に、冬でも程よく温かい地域はないだろうが、それでも夏に冷房等がなくても暮らせる寒い地域はきっと存在する。


食糧難、医療の貧困、軍隊への招集、家族でもスパイなどなど生きるために越えなければならないことばかりの北朝鮮だが、暑さも寒さも昨今は人の力ではどうにもならないことが続く。イートインコーナーに居座ることは日本でもままあるが、地下鉄の駅で涼むという行為は、「ないならないなりに知恵を絞る」国の人たちが生きるために教えてくれたことだ。
【編集:fa】
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