2026年9月3日、ウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所をめぐる危機は、依然として深刻さを増している。外部電力が途絶したまま、非常用ディーゼル発電機に依存する状況が続き、燃料残量は約10日分に過ぎない。
国際原子力機関IAEAは「燃料供給が途絶すればステーションブラックアウトに陥る」と警告している。

その他の写真:イメージ

UKRINFORMが8月29日23時15分に報じたところによれば、原発への外部電力供給は8月20日に完全に途絶した。戦闘によって送電線が破壊され、原発は孤立状態に陥った。その後、非常用発電機を休みなく稼働させて冷却を維持しているが、燃料は限界に近い。関係者は「残り約10日分しかない」と警告している。

Ukrayinska Pravdaが8月29日22時40分に伝えた内容では、原発の6基の原子炉は冷温停止状態にあるものの、核燃料は停止中でも強い熱を発し続けるため、冷却水の循環が不可欠だ。複数のディーゼル発電機をフル稼働させて冷却ポンプを動かしているが、長期間の連続運転による故障や燃料不足が重なれば、一瞬で破局に至る危険がある。

Espreso TVが8月30日0時10分に伝えた解説では、今回の危機は単なる設備トラブルではなく、戦争という特殊環境が引き起こした人災であると指摘している。ロシア軍による占拠が長期化する中、現地技術者の疲労は極限に達し、物資搬入ルートは軍事行動で断たれ、燃料や部品の供給は困難を極めている。

さらに、8月25日には冷却池付近でドローン爆発が発生し職員2人が負傷。翌日も乾式使用済み燃料貯蔵施設付近でドローン活動が確認された。8月20日には職員用バス停で爆発が起き、20人が死傷する最悪の事件も発生している。
IAEAは「職員が攻撃を受けることは容認できない」と強調している。

燃料供給については、Energoatomが8月31日までに数十トン規模のディーゼル燃料搬入を確認したと発表した。これは半年ぶりの供給であり、直近の大規模搬入は3月が最後だった。5月に予定されていた補給は戦闘激化で中止されていた。搬入後も残量は約10日分で、最低限の規制基準に過ぎない。ロシア側は「十分な燃料がある」と主張するが、砲撃で道路が封鎖され補給は不可能な状況が続いている。

IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は「燃料供給は絶対的な生命線」と強調し、護衛付き搬入や局地的停戦の交渉を進めている。しかし戦闘が続く限り、安定的な補給ルートの確立は困難である。

冷却が完全に停止すれば、原子炉内の温度と圧力は急上昇し、核燃料が溶け落ちるメルトダウンや放射性物質の外部漏洩につながる恐れがある。チェルノブイリ事故の悪夢が再び蘇る可能性が現実味を帯びている。

残された時間はわずかである。送電線の復旧と燃料補給が一刻も早く行われなければ、取り返しのつかない大惨事が現実のものとなるだろう。
世界中が固唾をのんで事態の推移を見守っている。
【編集:af】
編集部おすすめ