1952年、米テキサス州サンアントニオで誕生したフライドチキンの老舗「チャーチズ・テキサス・チキン」が、ついに中国本土へ上陸した。
その記念すべき第1号店がオープンしたのは、上海の中心街・呉江路。

開店初日から店の前には長蛇の列ができ、まるで人気アイドルの握手会のような熱気に包まれた。

その他の写真:SNSから

行列は数十メートルに及び、SNSでは「並び代行」の募集まで登場。
代行料金は50~130元(約1190~3094円)と、まるで限定スニーカーの購入代行のような高騰ぶりだ。
しかも、商品を現地で受け取らず速達配送を希望する場合は、別途送料が発生するという。
まさに“チキン狂騒曲”である。

口コミサイトでは、クリスピーチキン、マッシュポテト、メキシカナ・サンドイッチ、フライドポテトなどが人気を集めている。
平均消費額は1人あたり46元(約1095円)と、中国のフライドチキン業界平均(約20元)を倍以上も上回る。
それでも人々が列をなす理由は、ひと口食べればわかる。
衣はカリッと香ばしく、肉はジューシー。
スパイスの香りが鼻を抜け、口の中で“アメリカ南部の風”が吹く。
「これが本場の味か!」と感嘆する声が続出している。

チャーチズ・テキサス・チキンは現在、世界60余りの国と地域に2100超の店舗を展開。

中国では、既に600超の店舗を展開する現地パートナー企業とフランチャイズ契約を結び、全国展開を視野に入れている。
ただし課題もある。
中国では外食産業全体で1人当たり消費額が減少傾向にあり、2023年末の22.5元(約536円)から2025年10月には20元(約476円)へと落ち込んでいる。
KFCやマクドナルドなどの大手が市場を支配する中、チャーチズが勝ち抜くには味の現地化とコスト削減が鍵となる。

それでも、呉江路の店先に立つ人々の表情は明るい。
「並んでも食べたい」「写真を撮ってSNSに上げたい」――。
その熱気こそが、ブランドの力だ。
アメリカの香りをまとった黄金色のチキンが、いま上海の街で新しい食文化の風を巻き起こしている。
【編集:af】
編集部おすすめ