頑張って働いて、収入は増えているのに貯金は増えず、むしろ確実に減っている――こんなトラップにはまったら、ヒントになりそうなのが、『時間とお金にゆとりが生まれる 貯まる片づけ』(西﨑彩智著、プレジデント社、2026年4月)です。

著者は、お片づけ習慣化コンサルタントの西﨑彩智さん。
プレジデントオンラインで100万PV連発という超人気連載が書籍化されました。4000人がその講座を受けたという“西﨑メソッド”とはどんなものでしょうか?

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「なぜかお金が貯まらない家」は冷蔵庫の中身でわかる。部屋の片づけで「200万円の損をまぬがれた人も」
貯まる片づけ

著者も、かつては浪費体質だった

〈人は現実を見たくなくて「浪費」に走る〉と本書は厳しく指摘します(〈 〉は同書からの引用、以下同)。

西﨑さんも、もとは浪費体質でした。浪費の原因はストレス。前夫との離婚で揉めていて、気づけば洋服を衝動買い、夫がいる家には帰りたくないから自炊もしない。仕事終わりにカフェで時間を潰す、等々。

「なぜかお金が貯まらない家」は冷蔵庫の中身でわかる。部屋の片づけで「200万円の損をまぬがれた人も」
西﨑彩智さん。20年間専業主婦だったが、夫のリストラ、離婚を経て40代後半で片づけのプロに
さらに、離婚に向けてお金がなくなる恐怖におそわれ、現実逃避するようにお金を使うという悪循環。

切羽詰まった西﨑さんを変えたのは、息子さんの一言でした。

片づけたら「200万円の証書」が出てきた人も

 「友達を家に呼びたい」。息子さんのこの一言で、西﨑さんは“片づかない現実”と向き合う決心をしたのです。

 片づけられない自分はダメな自分、と思いがちですが、逆をいえば、片づけられる自分になれば自己肯定感が高まります。そのために、一時的な片づけに満足するのではなく、二度と散らからない家を目指すのが得策。

 最初に〈「ものがある」だけでお金がかかる〉のを、頭に叩き込みましょう。「アレ、どこに行ったっけ」と部屋で何かを探す経験は誰にでもありますよね。
結局見つからず、新しく購入したあとに見つかる、という失態。一度や二度ならまだしも、それが続いてしまったら……。

 大量の物が置かれたスペースにも家賃を払っている状態ですし、ものを減らして引っ越せば家賃も削減できます。実際、同書には「押し入れにあった封筒から10万円以上が出てきた」という人のケースも登場します。

 過去最大の金額は、なんと200万円。〈満期になっていた保険の証書がでてきたのです。受取期限はギリギリで、翌月だったら単なる紙切れになっていました〉というのですから、片づけはバカになりません。

キッチンを見れば「貯まる/貯まらない家」がわかる

 まず手をつけるべきは、キッチンだそうです。〈キッチン「から」が成功のカギ〉と本書がいうように、キッチンには〈賞味期限など数字のあるものが多いから〉捨てるハードルが低いのです。

「なぜかお金が貯まらない家」は冷蔵庫の中身でわかる。部屋の片づけで「200万円の損をまぬがれた人も」
『貯まる片づけ』より

〈キッチンを一目見れば、その家が「お金の貯まる家」か「貯まらない家」かがわかります〉と本書。油まみれの調味料が多数並び、同じような調理器具やフライパンがごちゃごちゃにかけてあり、油や飲料のストックが床に放置。

 使用しているのは一部だけなのに、日常を取り崩す不安が拭えないのかもしれません。「そういえば使っていない」ものを、何かひとつ手放せば、「貯まる家」への第一歩になるはずなのです。


 ちなみに〈「無駄」が生まれる4つの理由〉がこちらです。

①買物に行く頻度が高い
②1人で管理できない
③旅先で買ってきてしまう
④“丁寧な暮らし”に憧れすぎている


 意外なのが④です。手作りパンやフレッシュなスムージーといった、健康的な食生活を目指すのは素敵なこと。でも、ホームベーカリーやジューサーを買ったものの、使ったのは数回だけという苦い結果に。

 無駄金を使った失敗を認めるのは怖いものですが、それって単純に、ライフスタイルに合わなかっただけ。今の自分にちょうどいい暮らしに整えていけばいいのです。

「なぜかお金が貯まらない家」は冷蔵庫の中身でわかる。部屋の片づけで「200万円の損をまぬがれた人も」
『貯まる片づけ』より

冷蔵庫にこれがあると月2~3万円損してるかも

 生活必需品である冷蔵庫。必要なものだから保存している…という思い込みをいったん捨ててみましょう。なぜなら〈冷蔵庫をスッキリ片づけただけで、「月2~3万円は食費がダウンしました!」〉との報告もあるからです。

 片づかない冷蔵庫にあるものは、以下のとおり。

①とりあえずの「つくりおき」
②使いかけの調味料
③ダイエット食品や美容食品
④飲みかけのペットボトル


 一見して、やっぱり全部必要では? と思いますよね。大切なのは定期的に冷蔵庫を見なおすこと。

〈中身を総点検する→今ある食材を使い切る→買い物に行く〉という3ステップを踏めば、冷蔵庫がパンパンになるのを防げますし、自分の癖が見えてきます。


たとえば〈何度か腐らせたり、捨てたりしたものは「見つけたら好きで買うけれど、自分はこれを結局使わないんだ。自分の暮らしには必要のないものなんだ」ということを受け入れてみて下さい〉。

改善点がわかれば、無駄な支出の繰り返しを減らせるのです。

部屋を片づけると、自分が見えてくる

〈片づけは最高のセルフコーチング〉と本書がいうように、今あるものを見つめていると、今の自分が見えてきます。
〈私はなぜ、これをずっと持っているのかな〉

 もう使わない、と感じたら、それは過去との決別かもしれません。

片づけたいという欲求は、成長したい、という心の叫びなのだと、本書はやさしく教えてくれるのです。

<文/森美樹>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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