新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして、報道、スポーツ、バラエティなど多岐にわたる番組を担当してきた大木優紀さん(45歳)。

 40歳を超えてから、スタートアップ企業「令和トラベル」に転職。
現在は旅行アプリ「NEWT(ニュート)」の広報を担当。さらに2025年10月には、ハワイ子会社「ALOHA7, Inc.」のCEOに就任し、家族とともにハワイへ移住。新たなステージで活躍の場を広げています。

 第58回となる今回は、ハワイで暮らしているからこそ感じる「今のハワイの治安」について、大木さんがリアルな現状をレポート。

 ニュースなどで耳にするホームレス問題や、エリアによって異なる街の雰囲気、旅行中に気をつけたいポイントなど、現地で生活する目線から詳しく紹介します。(以下、大木さん寄稿)

「ハワイの治安って、最近どうなの?」現地在住者が感じる“今”

「ハワイは治安が悪くなった」は本当? 現地在住者が明かす“注...の画像はこちら >>
 最近、YouTubeや日本のニュース、テレビ番組などで、ハワイの治安について取り上げられているのを目にする機会が増えました。

「ハワイの治安って、最近ちょっと悪くなったって聞くけど大丈夫?」
「ホームレスが増えているって聞いた」
「昔と比べて、街の雰囲気が変わったって本当?」
「久しぶりのハワイ旅行だけど、以前と同じ感覚で歩いて大丈夫?」

 コロナ禍を経て、久しぶりにハワイを訪れる人からは、そんな不安の声も聞かれます。

 せっかく楽しみにしていたハワイ旅行。治安への不安を抱えたまま出発するのは、できれば避けたい。

 そこで今回は、現在ハワイで暮らしている私の目線から、実際に生活していて感じる「今のハワイの治安」を率直にお話したいと思います。

 具体的にどんなところに気をつければいいのか。ハワイの街で感じる変化とともに、旅行中に安全かつ快適に過ごすための具体的なポイントをご紹介します。

「ホームレスが増えて危険」は本当?ハワイの街で起きている変化

 「ハワイはホームレスが多い」

 実際にこちらで暮らしていても、街中でホームレスの方を目にすることは、やっぱりあります。

 ハワイにホームレスが多い背景として挙げられるのが、高い生活費と厳しい住宅事情です。
ハワイは全米でも生活費が高い州として知られていますが、物価の高さに対して所得が十分に追いつかず、生活に余裕がなくなりやすいという側面があります。

 さらに、住宅価格や家賃も高く、ハワイで暮らす人が無理なく住める価格帯の住宅が不足していることも、大きな課題となっています。

 また、ハワイは年間を通して温暖で比較的過ごしやすい気候であることから、本土からハワイへ移動してくる人もいると言われています。

 このように、ハワイのホームレス問題は、高い生活費、所得と住宅費のミスマッチ、住宅不足、温暖な気候など、複数の要因が重なって起きているようなんです。

 ただ、最近のデータを見ると、少し前向きな変化も見えてきました。

 ハワイ州の人口の約7割が集中するオアフ島が実施した最新の調査によると、島内でホームレス状態にある人は4539人。全体の人数は前回調査から大きく変わっていませんが、路上で暮らす人は20%減少していることがわかりました。

 さらに、シェルターなどの施設を利用している人は全体の51%と過半数を占めています。2018年以来初めて、シェルターで暮らす人が路上などで暮らす人を上回る結果となりました。

 実際に、行政による支援やシェルターの整備が進み、住まいを失った人を屋外での生活から支援につなげる取り組みも行われています。

「ハワイはホームレスが増えて、以前より危険になった」というイメージだけで捉えるのではなく、現在は問題への支援や対策も進められている。これが、今のハワイを知るうえで押さえておきたいポイントのひとつです。


ホノルルの地域別にみる危険エリアと安全エリア

「ハワイは治安が悪くなった」は本当? 現地在住者が明かす“注意したいエリア”と、それでも愛され続ける理由
カカアコ ウォールアート
 ホノルルのエリア別に見ていくと、観光客が多く集まるワイキキは、オアフ島の中でも路上生活者を比較的目にしにくいエリアです。

 一方で、観光客が訪れる場所の中でも、少し注意しておきたいのが、ダウンタウンやチャイナタウン周辺です。

 ホノルルの中心部を西に向かって見ていくと、まず観光の中心地であるワイキキ。その西側はショッピングセンターで有名なアラモアナエリア。さらに新しいコンドミニアムなどが並んでいるワード地区。その先にウォールアートで有名なカカアコと続きます。

 さらに西へと進むとダウンタウン、チャイナタウンへ。ワイキキから少し離れたこのエリアは、特に昼と夜で街の雰囲気がガラッと変わるので、夜間の街歩きは絶対に避けましょう。

 私自身、昼間に訪れる際は、子どもを連れて家族で歩くこともあります。時間帯や場所を選べば、必要以上に怖がる必要はありません。

 では、実際に旅行者はどんなことに気をつければいいのでしょうか。ここからは、ハワイ旅行を安全かつ快適に楽しむために、特に覚えておきたいポイントを3つご紹介します。

旅行者むけ安全対策の3つのポイント

 まず一つ目は、街歩きをする時間帯とルートを意識することです。

 観光や街歩きは、できるだけ明るい午前中から日中のうちに済ませ、夕方以降はワイキキ中心部など、人通りの多いエリアで過ごすのがおすすめです。


 ワイキキの中心を通るカラカウア通りは、夜も比較的人通りが多く、明るいエリア。夜にホテルへ戻る際なども、多少遠回りになったとしても、できるだけ明るく、人通りのあるルートを選ぶようにしましょう。

 ワイキキ中心部でも、海側の観光エリアから離れて内陸側へ行くと、人通りや街の雰囲気が変わる場所もあります。ホテルへ戻るときは「一番近い道」ではなく、「安心して歩ける道」を選ぶことを意識してみてください。

 二つ目は、時間帯や場所に合わせて移動手段を使い分けることです。

 ハワイでは、トロリーや公共バスのTheBus、タクシー、Uberなど、さまざまな移動手段があります。

 特に夜間、ダウンタウンなどワイキキから離れたエリアで食事をした場合は、帰り道を徒歩にせず、Uberなどの配車サービスを利用するのがおすすめです。

「夜道を歩かない」というだけでも、旅行中の不安要素をかなり減らすことができます。少しお金がかかったとしても、安全を優先して、ホテルまでドア・ツー・ドアで移動するという選択肢を持っておくと安心です。

 三つ目は、現地の人から最新の情報を得ることです。

 ハワイで暮らしていると、「この辺りで昨日こんな事件があった」といった、その時々の細かな情報を耳にすることがあります。治安は固定されたものではなく、同じエリアでも、その日の状況や時間帯によって変わることがあります。


 だからこそ、不安に感じることがあれば、現地のホテルスタッフやツアーのスタッフなどに、遠慮せず聞いてみてください。旅行会社や旅行サービスの現地スタッフに相談するのもひとつの方法です。

 旅行アプリ「NEWT」では、ワイキキにラウンジを設けています。現地で何か気になることがあったときには、こうした場所でスタッフに相談したり、最新の現地情報を確認したりするのもおすすめです。

「知らない場所だから怖い」と構えるのではなく、時間帯を選ぶ、明るい道を歩く、夜は無理に歩かない、困ったら現地の人に聞く。

 この基本を押さえておけば、ハワイ旅行を必要以上に怖がる必要はありません。

それでもハワイが愛され続ける理由

「ハワイは治安が悪くなった」は本当? 現地在住者が明かす“注意したいエリア”と、それでも愛され続ける理由
アイランドブリューコーヒー(ハワイカイ店)
 こうした治安のニュースや社会問題がある一方で、この8月もハワイは多くの日本人旅行者で賑わっています。

 現地でお客様とお話ししていると、特に驚かされるのがリピーターの多さです。円安や物価高が続く今でも、「やっぱりハワイが好き」と何度も訪れる人が少なくありません。

 それは、ハワイには一度訪れただけでは味わい尽くせない、幅広い世代を惹きつける魅力があるからだと思います。

 美しいビーチや雄大な自然があり、ショッピングも楽しめる。一方で、ハワイならではの歴史や文化があり、日本との深いつながりもあります。


 さらに、観光地として長い歴史があるからこそ、ホテルや交通、医療などのインフラも整っていて、海外でありながらどこか安心して過ごせる。

 自然、文化、利便性、そしてリラックスできる空気。そのバランスの良さこそが、ハワイの大きな魅力なのではないでしょうか。

 私自身、子どもを連れてハワイで暮らしているからこそ、「このエリアは少し気をつけたほうがいいな」と敏感になることもあります。ハワイが海外であることを忘れず、最低限の注意を払うことは大切だと感じています。

 でも、正しい知識を持ち、少しだけ行動を意識すれば、ハワイは今も変わらず、私たちに癒しと心地よい時間を与えてくれる。心を開いて、ゆっくり深呼吸したくなるような、あのハワイらしい空気は、今もちゃんとここにあります。

 これからハワイを訪れる方には、正しい情報を味方につけながら、安心して、思い切りハワイを楽しんでいただけたらと嬉しく思います。

<文/大木優紀>

【大木優紀】
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。
2児の母
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