野党多数の立法院(国会)では現在、国防部(国防省)が無人機などの無人アセット(装備品)の国内調達を行うための特別条例案の審議が行われている。2100億台湾元(約1兆500億円)の予算を盛り込んだ政府案や、予算額を2400億元(約1兆2000億円)としつつ年間400億元(約2000億円)の上限を定めた最大野党・国民党団(議員団)案など14案が提出されたが、今月20日の与野党協議では合意に至らなかった。28日に行われる見通しの第3読会(3段階審議の最終段階)に向け、国民党団は第2野党・民衆党団と案を一本化するとしている。
これとは別に、経済部(経済省)が2025年から30年までの6年で442億元(約2200億円)を投じる「無人機産業発展総合計画」を打ち出している。今月14日に成立した今年度の中央政府予算案では、同計画の今年度予算約83億元(約420億円)が予定通り盛り込まれた。
▽無人機、防衛・災害対応・産業で重要に
蕭副総統は、ロシアのウクライナ侵攻以降、無人機がウクライナの防衛において非対称戦力の重要な要素になっていることを、世界が目の当たりにしていると言及。ウクライナの経験から急速に進化を遂げ、情報収集や偵察・監視、攻撃、物資の輸送など、用途も多様化しているとした。さらに米国とイランの衝突でも新たな作戦の主力になっている他、ロシアに近い欧州各国では「無人機の壁」を構築する計画もあると述べた。
ロシアはプーチン大統領の誤算や過信でウクライナ侵攻を決断した可能性を排除できないとした上で、台湾は決して中国に自衛の決意について誤って判断させてはならないと強調した。
台湾の全体的な戦略は「抑止」であり、その意義は台湾侵略のハードルを非常に高くすることで、侵略を試みる者に「侵略すべきタイミング」が永遠に訪れないと認識させることにあると説明。そのため、無人機による防衛力の整備は「一刻の猶予も許されない」と話した。
また、自然災害時の捜索、現場調査、さらに工場や橋の日常的な安全点検といった場面でも無人機が必要だと訴えた。
産業発展の側面では、台湾は他国よりスタートが遅れたものの、今年上半期の輸出量はすでに昨年1年間を上回ったと言及。その中には完成機だけでなく、さまざまな部品や非レッドサプライチェーン(中国に依存しない供給網)のための製品や技術も含まれているとし、台湾の無人機産業はすぐに他国に追いつけるだろうと述べた。
その上で「前提は予算を必ず確保することだ」と指摘。多くの外国要人が台湾を訪問した際、台湾の無人機製品を調達したいと考えており、同時に台湾の国防部がそれらの製品を調達しているかどうかも尋ねると明かした。台湾自身にも無人機製品への需要があることが、国際市場開拓の上で相乗効果を生むプラスの要因になると語った。
▽調達の主導権、国防部が握るべき
特別条例の政府案では、沿岸偵察型、沿岸攻撃型無人機、小型自爆型無人水上艇(USV)の3種類の調達を計画している。
蕭副総統は、国防部が必要とする無人機はこの3種類だけではないとした上で、同部の無人機の調達方式には①軍事調達②商業調達③委託製造─があり、政府が特別条例で調達する3種類はいずれも委託製造に当たると解説した。
このうち、軍事調達は海外から大量生産されておらず、数も少ない高規格の特殊な無人機を導入し、商業調達は軍の需要を満たせる無人機を世界の現物市場から購入する方式だと説明。委託製造で調達を図る3種類は、需要量が多く消耗するため、国内の生産能力を整備する必要があると述べた。
軍事調達は政府間協議や輸出審査、米議会への通知といった煩雑な手続きが必要な一方、委託製造なら台湾側が製造時期を把握し、迅速な供給も可能になると語った。さらに政府が大量に調達すれば、企業が生産能力を構築でき、国際的な受注獲得や競争力向上にもつながると指摘。
また、野党案が経済部を主務機関としていることを巡り、蕭副総統は「経済部は国防部の作戦上の技術的需要を把握していない」と指摘。一方で技術的な不足については、経済部や国家科学・技術委員会などによる支援も必要なため、政府案の「統括型」計画で重要技術の開発を支えなければならないと話した。
▽審議の遅れ、国際的信頼にも影響
蕭副総統は、442億元の「無人機産業発展総合計画」と2100億元の特別条例は、本質が異なるものだと説明。前者は公務上の需要や技術、法規、産業集積などの面から国内の無人機産業の発展を促す環境づくりが目的である一方、後者は「かなり切迫した軍事上の需要」に対応するものだと述べた。
特別条例の一部の案が、年間予算を400億元に制限していることを巡っては、軍備整備の支出は年度ごとに均等ではないと指摘。1年目は100億元余りでも、翌年に納入が集中すれば500億元、600億元になる可能性もあるため、年度ごとの固定の上限を設けるべきではないと語った。
また、台湾の無人機開発は他国より遅れており、各国の技術は急速に進展していると言及。「1カ月遅れるたびに、技術面、能力構築の面で、その1カ月の機会を失う」と述べ、自国の安全保障や、各国からの台湾の自衛意思に対する誤解を避ける上でも、国家の力で産業と安全保障を支える必要があると訴えた。
その上で、安全保障に党派の違いはなく、政争の具にすべきではないと強調。審議の遅れや予算削減は国際パートナーからの信頼を損なうとし、立法院に対し「実行可能」な案を支持するよう呼びかけた。国防部主導の複数年特別予算を組むことで、産業界が今後の大量受注・長期契約を見通せるようにすることも、特別予算の重要な目的の一つだと述べた。
(温貴香、葉素萍、王揚宇、呉書緯/編集:田中宏樹)








![[音声DL版]TRY! 日本語能力試験 N3 改訂版](https://m.media-amazon.com/images/I/41mXWATUVjL._SL500_.jpg)
![【Amazon.co.jp限定】ダリオ・アルジェント PANICO (ビジュアルシート2枚セット付) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/41fRCrYhFTL._SL500_.jpg)

![BELIEVE 日本バスケを諦めなかった男たち 豪華版 [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Daz1hpRML._SL500_.jpg)