北斎の「神奈川沖浪裏」を70万本の花で表現。世界最大の花の絨毯(ベルギー)
葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」モチーフの巨大フラワーカーペットになったベルギー・ブリュッセルの広場/image credit:<a href="https://www.instagram.com/openrangeartmakers/p/DcLwJ_VHGhD/" target="_blank" rel="noopener">openrangeartmakers/instagram</a>

北斎の「神奈川沖浪裏」を70万本の花で表現。世界最大の花の絨...の画像はこちら >>

 咲き誇る美しい花一輪ずつに二国間の想いを込めて。ベルギーの首都ブリュッセルにて、世界遺産の広場がまるごとカラフルなじゅうたんに姿を変えた。

 日本人アーティストのヒロ杉山氏が、日本が誇る浮世絵師、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」をもとにデザイン。しかもこれ本物のダリアの花70万本以上でできている。

 この花のアートは、ベルギーで「フラワーカーペット」と呼ばれる。夏の催し物の一環で作られるもので、今回は日本との外交160周年記念して作られた。

 およそ1,680平米という巨大さで、世界最大記録を更新。4日間にわたり人々の目を楽しませた。

北斎の「神奈川沖浪裏」がモチーフの花でできた現代作品

 2026年8月13日、ベルギー・ブリュッセルの中央広場グラン=プラスが、まるごと生花でできたカラフルな絵になった。

[画像を見る]

 この作品はベルギーの夏のイベント「フラワーカーペット」。24回目となる今回は世界的にも有名な葛飾北斎の浮世絵をベースにした現代風のデザインだ。

 作品名は「Neo Hokusai(ネオ北斎)」。デザインは、アーティストユニット「エンライトメント」代表で、京都芸術大学大学院 芸術研究科教授を務める日本人アーティストのヒロ杉山氏が手がけた。

 北斎の代表作としても名高い「神奈川沖浪裏」を、単にそのまま拡大するのではなく、今どきの感性で新たに構成し直したものだ。

[画像を見る]

ベルギーと日本の国交・友好160周年記念

 今回のフラワーカーペットは、ベルギーと日本の国交・友好160周年を記念し、8月16日までの4日間限定で公開された。なお日本が主賓国として招かれるのは、2016年以来2度目のことだ。

 駐ベルギー特命全権大使の大菅岳史氏は、日本が選出されたことは大変栄誉とし、訪れる人全員が、自然美と両国の絆に想いを馳せるきっかけになってほしいと語った。

 ブリュッセル市で観光や大規模イベントを担当する助役ナワル・ベン・アムー氏は、フラワーカーペットは夏のメインイベントであり、同じく花文化で高く評価されている日本の参加に特別な意義を感じたという。

 大菅氏も、共通する花への愛にふれ、日本もベルギーと同じように花と文化や暮らしが深く結びついていると述べている。

[動画を見る]

世界最大のフラワーカーペット

 長さ70m、幅はおよそ24mに敷き詰められた70万本ものダリアは、世界最大のフラワーカーペットとして記録を更新した。

 作品について杉山氏は、 この作品と通じて、過去と未来、日本文化と現代美術を結びつけたいとも語っていた。

 その裏には苦労もあった。15、16色という花の色数の制限に直面し、一時は見せ方に悩んだが、現地の仕上がりを見て不安が吹き飛んだという。

 初見では、なじみ深い「神奈川沖浪裏」モチーフと鮮烈な配色に目が行くが、それだけではない。実はその周りに両国の友好を示すデザインが施されている。

 縁を彩るのは、日本の伝統文様で継続や繁栄を意味する「市松模様」。側面には、伝統的な和室にみられる「組子欄間(くみこらんま)」を彷彿させる文様が織り込まれ、四隅にはブリュッセル市の紋章が置かれている。

[画像を見る]

 日本とベルギーの象徴的デザインから成る、巨大で豪華な花の絵は、これ自体が文化の懸け橋であり、友好の証なのだ。

当日早朝から二国間の共同制作

 大量の生花でできたフラワカーペットは、たくさんの人が何時間もかけて協力し合うことで完成した。

[画像を見る]

 まず初日の8月13日は、朝早くから100人を超えるボランティアが同公園に集合し、石畳の上に花を一輪ずつ丁寧に敷き詰めていくところから始まった。

 参加者の多くは、花で飾った山車を村同士で競い合う伝統をもつベルギー北部の村、ローエンハウトの出身者だったそうだ。

 さらに日本からの協力者も作業に加わり、国境を越えた手作業と繊細な生花による、壮大なアート作品ができあがった。

[画像を見る]

もう一つビール醸造の伝統にちなんだデザインも

 今回のイベントにはもう一つ、初の見どころもあった。

 グラン=プラスから徒歩10分ほどの場所にあるブリュッセル証券取引所の館内にもフラワーカーペットが登場したのだ。

 デザインはベルギーの歴史あるビール醸造の伝統にちなみ、「ホップ」をモチーフにしたもの。素朴な色調で、ベルギーの花文化とビール文化を巧妙に表している。

 一方、グラン=プラスの広場は期間中、無料開放となり、夜間は音と光のショーが開かれた。ブリュッセル市庁舎のバルコニーはカーペット全体を見下ろせる特等席になった。

 わずか4日間でも、世界的に有名な日本の浮世絵の現代的表現と、色鮮やかなベルギーの花という思いがけない作品は、花を愛めでる国同士ならではの世界最大級アートとして語り継がれることになりそうだ。

Amazon : MMmall 外国人が喜ぶ日本のお土産 扇子 和柄 富嶽三十六景 外国人 お土産 (神奈川沖浪裏収納袋付)

References: Flower Carpet 2026 | FlowerCarpet[https://www.flowercarpet.brussels/en/carpet/flower-carpet-2026]

編集部おすすめ