ミドリ頭の女性警察官・鴻田とクールな警察通訳人の有木野、凸凹バディが東京で巻き起こる国際犯罪に向き合う。社会から取りこぼされてしまった外国人たち、国内で暗躍する犯罪組織──リアルな東京の「現在(いま)」を照らす、まったく新しい警察マンガ!
待ってました! ドラマファンも期待する2nd dish
NHKで放送された「東京サラダボウル」は、2025年屈指の面白いドラマだった。原作は、「クロサギ」で知られる黒丸氏の漫画『東京サラダボウル —国際捜査事件簿—(全5巻)』。物語は、さまざまな事情で日本にやってきて犯罪や事件に「巻き込まれた」、または「関わってしまった」外国人たちの話。メインストーリーには“人身売買”や“警察の暗部”という重めのテーマが組み込まれていたりするのだけど、ドラマはもっと身近な、それこそ小さな町工場や、介護施設で働いているような外国人労働者が、犯罪や事件に足を取られ、抜け出せなくなっていく様を丹念に描く。言葉も通じず、頼る者もなく、“社会からこぼれ落ちそうになっている”外国人労働者と、日常的に彼らを目にしているにも関わらず、“なにも見ていない/見ようとしない”日本人。そうした人が行き交う新宿を舞台に、奈緒と松田龍平が活躍する……。
ドラマの紹介が長くなってしまったけれど、今回レビューするのは漫画『東京サラダボウル 2nd dish -警視庁編-』。2nd dish、つまり2皿目。ドラマが非常に好評だったことを受けての“おかわり”となる続編に、漫画はもちろんドラマのファンも「セカンド・シーズンくるかも!」と期待を抱かせる(というか、絶対にやってよNHK!)。
国際犯罪対策課の刑事と警察通訳人
本シリーズの主人公は、国際犯罪対策課の女性警察官・鴻田麻里と、元警察官で警察通訳人の有木野了。緑色の髪で人懐こく、およそ警察官に見えない鴻田(あだ名はレタス頭)と、何事にもクールで事件に深く立ち入ることを良しとしない有木野(通称アリキーノ)。ふたりの立ち位置は、こんな感じだ。-
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第1話は、殺人犯行現場に遭遇してしまった台湾在住の香港人イラストレーター・漫画家のリーナの物語。日本でのイベントに参加するため利用していた民泊で、彼女は殺人を目撃し警察に通報する。しかし、彼女はなぜか警察に非協力的。「被害者の女性がいつ死んだのか?」を知りたがる彼女に、「目撃者に対して事件に関する情報は教えられない」と、鴻田が伝えると……
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そして第2話は、外国人排斥デモの騒動に巻き込まれたネパール人の物語だ。デモの参加者に突き飛ばされてから数時間後、急性硬膜外血腫で倒れたネパール料理店の店主。暴行障害事件として立件するには、突き飛ばされたことが直接の原因であることを証明しなくてはいけない……、という展開に。排外主義と多文化共生の歪みに対して、鴻田と有木野はどう対峙するのか? 見逃せない。
著 : 黒丸
レビュアー
嶋津善之
関西出身、映画・漫画・小説から投資・不動産・テック系まで、なんでも対応するライター兼、編集者。座右の銘は「終わらない仕事はない」。
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