本来、この時期は通常国会が開かれる。今年も1月に召集されたが、高市早苗首相は衆院を即日解散した。2月に衆院選が行われたため、その後に開かれた今国会は特別国会である。
異例のスタートで、与党は選挙で遅れた予算案の成立を急いだ。首相の指示の下、衆院の予算委員長が「職権」を連発して日程を強行的に決め、集中審議や分科会が見送られた。
首相の国会軽視も目立った。
首相が今国会の衆参両院の予算委集中審議に応じたのは約32時間。過去の石破茂氏の約90時間、安倍晋三氏の約70時間と比べても明らかに少なく、自民党が政権に復帰した2012年以降の歴代政権で最短だ。
党首討論は石破前首相時の昨年4月、当初予算成立後の4月から6月は毎月実施することで与野党が合意したが、今国会では5月と7月の2回にとどまった。
そうした批判をかわそうとしたのだろうか。最終盤に入って高市首相はSNSで「就任以来、0時間~3時間睡眠が常態化」など睡眠不足をアピールする発信をしたのである。
だが、睡眠不足は答弁を回避したり出席しない理由にはならない。
野党の質疑に正面から答えようとせず議論を避ける首相の姿勢は、最後まで続いた。これでは行政府の長としての責任を果たしたとはいえない。
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衆院選での自民の圧倒的勝利を背景に、数の力で押し切る姿勢も際立った。
国旗損壊罪や改正皇室典範など「国論を二分」する法律も十分に審議が尽くされないまま成立した。
与党が提案した「副首都」構想関連法も疑問点は解消されないままだ。
同法は東京で大規模災害が発生した際の副首都を指定・整備するための法律だ。しかし、首都機能を代替するための庁舎整備やシステム構築などへの予算規模が示されていないなど課題が多い。
一方、維新の悲願である「大阪都構想」実現の切り札にしたい意図が見え見えである。問題点が多いとして野党が仕切り直しを求めたにもかかわらず、与党は国会会期を8日間延長してまで成立させた。この間の国会運営のずさんさは目に余る。
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首相が重視する法案が次々成立する一方、消費税減税や物価高対策など国民が求める課題解決は一向に進んでいない。
しかし、有権者は白紙委任した訳ではない。60%台だった支持率はここへきて下落傾向にある。独善的な対応を改めなければいずれ見切りを付けられるだろう。
行政府の長として真摯(しんし)に国民の声に耳を傾けるべきだ。

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